国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

平成30年度文化資源プロジェクト一覧

 

 

調査・収集

追手門大学名誉教授のサンディップ・タゴール氏と著述家のタゴール暎子氏夫妻が1960年代に収集した東インド・ベンガル地方のカリガート民俗絵画30点のコレクションを購入した。

 

 

展示

本館が所蔵する、1968年から1969年にかけて「日本万国博覧会世界民族資料調査収集団」(「万博資料収集団」)が収集した世界の諸地域の標本資料、資料収集に関連した書簡や写真等を展示する特別展示会を開催した。あわせて、展示品の解説、資料収集やコレクション形成の過程ならびにそれらの現代的意義等についての論考を収録した図録を刊行した。
本展では、工芸指導所ゆかりの試作品を紹介するとともに、宮城県で活躍する若手職人やデザイン・工芸に関心を持つ学生たちとのワークショップを通して、彼らの視点から工芸指導所の試作品を捉え直した試みを展示した。
本プロジェクトは、民博所蔵の「時代玩具コレクション」(多田コレクション)の調査研究や、民博共同研究「モノにみる近代日本の子どもの文化と社会の総合的研究―国立民族学博物館所蔵多田コレクションを中心にして」(研究代表者 是澤博昭)の成果をもとに、特別展「子ども/おもちゃの博覧会」の開催するものである。
日本のアイヌをはじめとした世界各地の先住民が大切にしている「宝」をキーワードに、写真や動画、絵画や漫画などのメディアも活用しながら、それぞれの地域の先住民の暮らしや現状を紹介する。「宝」には、狩猟具、装身具、儀礼具、その他の生活用具などの具体物だけではなく、伝統的な生活、森や海などの自然環境、言語、信仰、芸能なども含まれる。先住民運動や文化復興運動などが隆盛し、民族アイデンティティが活性化している状況にも配慮しながら、展示資料の選定や空間デザイン、全体のストーリーを構成していく。
アーミッシュ・キルトとそのストーリーを、米国において宗教的信条に基づき「簡素な生活」を続ける人びとの暮らしと交流について考える素材として提示する企画展を実施した。展示した標本資料は、文化資源プロジェクト(平成23年度、25年度、28年度)によって収集したものである。
企画展「旅する楽器―南アジア、弦の響き」を、平成31年2月21日〜5月7日の会期で開催し、期間中の関連イベントとして研究公演(1回)とギャラリー公演(3回)を実施した。
約300点のビーズ工芸を展観し、古代から現代までの世界中のビーズ文化を紹介した。なぜ人はビーズを作り、使い続けたのか、シンプルだけれども奥深いビーズの世界を、もう一歩踏み込んで案内した。
古来、世界のさまざまな民族の手によって、貝細工という独自の文化が生み出されてきた。貝細工に秘められた豊かな造形美を発見しながら、それぞれの貝細工が生まれた社会背景や生活文化を理解し、貝と私たちとがどのような関係を育んできたのかを問い直した。
約10万年前に作り出された人類最古の装飾品ビーズ。民博と科博がコラボレーションし世界中のビーズの素材や製作技術、ビーズと人類とのかかわり方を紹介した。
株式会社阪急阪神百貨店が共同主催者となって、阪急うめだ本店「阪急うめだギャラリー」において実施する展示の基本計画及びスケジュール案を作成した。また、展示資料の選定作業を進めている。
本展示では、常識や慣習から逸脱した「異」なるもの(異境・異界・異人・異類)をめぐる人間の心理と想像力の働き、言説と視覚表象物の関係を解明するとともに、人間と環境の相関関係を究明する。
人間言語の生成過程と手話言語に関する展示会を、言語学、認知言語学、言語工学の共同の研究成果公開として2021年(平成33)年9月から11月(予定)まで、民博・特別展示場において開催するための準備プロジェクト。
文化人類学者片倉もとこによるサウジアラビア現地調査資料(写真ほか)ならびに収集による本館所蔵資料(民具・衣装ほか)と、現地での最新の調査結果にもとづくデータを中心に、物質文化に焦点を当てることで、この半世紀における沙漠環境や社会構造の変化に伴うオアシスでのムスリム女性たちの生活の持続と変容について検証した。
①展示の具体化に向けて、協力アーティストを選定し、個別に打ち合わせを行なった。②資料の借用について、各地の美術館と交渉した。③共同研究「『障害』概念の再検討」(通称「ユニバーサル・ミュージアム研究会」)のメンバーを中心に、展示の基本コンセプトについて議論した。

 

 

博物館社会連携

知的障害者を対象とした試行的ワークショップ「みんぱくSama-Sama塾」を開催した。知的障害者にとっても分かりやすく、楽しめる博物館の活用モデルを目指し、知的障害者が博物館を活用する際に必要とされる支援や改善点などを検討しながら実施した。