国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館外での出版物

アフリカの同時代美術――複数の「かたり」の共存は可能か ★

2011年2月15日刊行

川口幸也 編

明石書店

出版物情報

主題・内容

多くのアフリカ人アーチストとの出会い・語らいの中から、現代アフリカのアートを同時代美術(コンテンポラリーアート)としてとらえる試み。西洋美術史観から、エスニックアートとしてアフリカ美術をとらえる視点を超えて、新たなアフリカ美術像を描き出す。

目次

第1章 スター誕生―アフリカ同時代美術ブームの中で
(1)アクパンとの再会
(2)アートになった棺桶
   ・ハロー家具工房
   ・カネ・クウェイ木工所
   ・パー・ウィリー・六フィート工芸
   ・パー・ジョー木工所
   ・ガポヌ木工建具ワークショップ
(3)シェリ・サンバ―キンシャサのスーパースター
第2章 1989年以後―せめぎあう美術史と文化人類学
(1)マウントの分類と1990年代
(2)「マジシャン・ドゥ・ラ・テール」展の冒険
(3)アメリカからの回答―「アフリカ・エクスプロアーズ」展
(4)「セヴン・ストーリー」展の試み
(5)「インサイド・ストーリー」展―日本からの声
第3章 1989年以前―「闇の奥」アート
(1)ルバキとジラテンドの「発見」
(2)フリースクールの時代
   ・ルブンバシ派
   ・ポトポト派
   ・オショボ派
(3)フリースクールの神話の構造
第4章 独立の時代―模索するモダン・アート
(1)セネガル―幻と現実、あるいはエコール・ド・ダカールとガラス絵
   ・ガラス絵という存在
   ・30年後のエコール・ド・ダカールとガラス絵
(2)ヴォウヴォウ―アビジャンのモダニズム
(3)ナイジェリア―ザリアの反逆児たち
第5章 グローバル・マーケットに船出するアーティストたち
   ・アブラデ・グローヴァー
   ・エル・アナツイ
   ・スイレイマン・ケイタとムスタファ・ディメ
   ・アブドゥライ・コナテ
   ・ウスマン・ソウ
第6章 語り始めたアフリカ
(1)アフリカの外側で
   ・ヴェネツィア・ビエンナーレの中のアフリカ
   ・「ショート・センチュリー」展と「ドクメンタⅩⅠ」―オクゥイ・エンウェゾールの活躍
(2)アフリカの内側で
   ・持続への意志―ダカール・ビエンナーレ
   ・ヨハネズブルグ・ビエンナーレ―虹のかなたに
   ・第二回ヨハネスブルク・ビエンナーレ
   ・ナイジェリア、エヌグ―若者たちの挑戦
終章 21世紀のアフリカ同時代美術―新たな語りの可能性を求めて
   ・「アフリカ・リミックス」展とケ・ブランリー美術館の開館
   ・複数の視座からの語りは可能か