国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館外での出版物

映像人類学(シネ・アンスロポロジー)――人類学の新たな実践へ ★

2014年5月23日刊行

村尾静二、箭内匡、久保正敏 編

せりか書房
【共同研究成果】

出版物情報

主題・内容

映像人類学の歴史で重要なジャン・ルーシュが提起した、研究者と調査地の人々が、映像を撮る経験・観る経験を通して映像を共有する、「共有人類学」の概念。この再考から出発し、今後の人類学研究に位置づける論考集。

目次

第Ⅰ部 原点
映画を撮ること、観ること、共有すること――ロバート・フラハティの「人類学的」映像制作  村尾静二
紀行文と旅映画――渋沢フィルム《飛島》を事例として  木村裕樹
文化を写しとることは可能か――ベイトソンとミードの映像人類学から  宮坂敬造
第Ⅱ部 シネ・アンスロポロジーの創造
共有する映像制作――ジャン・ルーシュから学んだこと  大森康宏
ジャン・ルーシュの思想―「他者になる」ことの映画−人類学  箭内匡
映画作家ルーシュ――ヌーヴェルヴァーグ映画を鏡として考える  小河原あや・箭内匡
第Ⅲ部 映像の共有人類学
「子ども」と映像――カメラへの関心と変化の共有  南出和余
技術映像の可能性――モノづくりの映像がかたるもの  中村真里絵
映画をめぐる生の交差――時間と空間の共有がもたらすもの  清水郁郎
第Ⅳ部 民族誌映像の発信・保存・再利用
共有のためのメディア――戦後マスメディア史からみた映像人類学の可能性  飯田卓
映像アーカイブズから映像の共有を考える――国立民族学博物館での経験から  久保正敏
共有から引用へ――生成と創造のマトリクスの構築に向けて  大村敬一
第Ⅴ部 作品解説
1 民族誌映像の創出  リュミエール兄弟から一九六〇年代まで
2 新しい民族誌映像のために 一九七〇年代~現在
3 本書関連民族誌映画DVD収録作品解説
終章 新たな課題――方法論から認識論へ  村尾静二
あとがき
映像視聴ガイド