国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館外での出版物

苦悩することの希望――専門家のサファリングの人類学

2014年12月16日刊行

浮ヶ谷幸代(著, 編集)、阿部年晴(著)、沖田一彦(著)、加藤直克(著)、田中大介(著)、福冨律(著)、星野晋(著)、松繁卓哉(著)、山上実紀(著)

協同医書出版社
【共同研究成果】

出版物情報

主題・内容

現代日本の医療福祉の専門家が臨床現場で何に苦悩し、どのように考え、感じているのか、それにどう向き合っているのか、について論じられた本である。専門家の苦悩に焦点を当てた研究は医療人類学でも新たな視点であり、苦悩に向き合うことこそが創造的ケアを見出すブレイクスルーとなることを主張している。

目次

まえがき
序章 医療専門家の苦悩をいかに解き明かすか?(浮ヶ谷幸代)
第1部 サファリングとケアの理論
第1章 ケアはいつケアとなるか――原サファリングと二次サファリング(加藤直克)
第2章 生活の場からの発想――医療システムと生活知(阿部年晴)
第2部 苦悩するケアの現場から:専門家としての実践を通して
第3章 医師の役割意識と苦悩(山上実紀)
第4章 理学療法士のサファリング――専門家と生活者のはざまで(沖田一彦)
第5章 「かかわりの専門職」の体験する苦悩の可能性(福冨律)
第3部 苦悩するケアの現場へ:人類学・社会学の目を通して
第6章 「ご遺体」は最初の患者である(星野晋)
第7章 葬儀業の仕事にみる専門家のケアとサファリング――死と葬儀をめぐる職業的機制の観察から(田中大介)
第8章 現代の対人援助専門職のサファリング――多職種連携のインターフェースに着目して(松繁卓哉)
第9章 「適度な距離」の模索――医療専門家のサファリングの創造性(浮ヶ谷幸代)
あとがき