国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館外での出版物

フィールド映像術(FENICS 100万人のフィールドワーカーシリーズ15)

2015年1月15日刊行

分藤大翼、川瀬慈、村尾静二 編

古今書院

出版物情報

主題・内容

今日、あらゆる学問分野のフィールドワークの現場において、映像が活用されている。本書は、フィールドワークにおける撮影の方法論、映像の活用法、さらには、映像の一般公開を通した新たな研究の展開など、映像を用いた学術調査の魅力と可能性を幅広く紹介する。

目次

イントロダクション フィールド映像術 分藤大翼・川瀬慈・村尾静二
PART1 理論編 ―映像の学術的枠組み
1.フィールドにおける映像の撮影―歴史的・理論的背景から(箭内匡)
2.学術映像の制作に向けて―文化科学・自然科学における映像制作の基本的問題(村尾静二)
PART2 制作編 ―フィールドと映像のさまざまなかたち
3.博物館映像学の観点からみた北極海における撮影の意義(藤田良治)
コラム1 動物目線のフィールド撮影術(渡辺佑基)
4.霊長類のフィールドワークと映像の活用法(座馬耕一郎)
5.南極湖沼に棲息する謎の植物を追って―映像を活用した調査・研究とその意義(田邊優貴子)
コラム2 自然特有の動きを収めた画像を人が認識しやすい動画映像に変換する(中村一樹)
6.音楽・芸能を対象にした民族誌映画の制作と公開をめぐって―エチオピアの音楽職能集団の事例より(川瀬慈)
コラム3 観客に届く映像作品をつくるには?―原 一男監督の「ドキュメンタリー映画制作講座」より(小林直明)
コラム4 民族誌映画祭―同時代の現実が交叉する時空(伊藤悟)
PART3 応用編 ―映像によるかかわりの創出
7.調査写真・画像から展示をつくる―現地と母国の市民をつなぐ応用映像人類学(高倉浩樹)
8.結びつける力―参加型映像制作の実践(分藤大翼)
9.メディアに還(かえ)っていく―「市井の人びとによる記録」のアーカイブづくりにみる、映像と人の協働のかたち(松本篤)
コラム5  機材選びに役立つ情報(森田剛光)
PART4 座談会 映像が切り拓くフィールドワークの未来(執筆者全員)
編集後記  分藤大翼