国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

在学生の研究内容

更新日時:2018年4月12日

邱君妮CHIU Chun-ni

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専攻

比較文化学専攻

指導教員

主指導教員:日高真吾/副指導教員:野林厚志

研究題目

日本と台湾における歴史的空間・建築物の保存・活用に関する博物館学的研究

研究キーワード

台湾、日本、歴史的建築物、博物館、保存・活用

研究の概要

本研究の目的は、歴史的建築物を含む歴史的空間を総体として保存し、博物館機能をもたせて活用することによって地域コミュニティの活性化に貢献しようという動きに焦点を当て、台湾と日本における事例研究を通じて、その問題点と可能性を検証することである。
歴史的建築物を博物館として保存・活用することは、今後の地域社会の発展に向けて、様々な課題が指摘されている。例えば、歴史的建築物は、博物館の機能を通じてどのように生かされるのか。また、そのことが、地域社会においてどのような意義を有するのか。こうした課題は、今後博物館学界の重要な研究課題の一つである。
しかし、これまでの研究の多くは、建築学の視点から歴史的建築物をいかに博物館や展示施設として保存・活用するかという方法論に関する研究であった。博物館学的な視点から、歴史的建築物を博物館として保存・活用することや地域振興に特化した研究は、未だ十分な議論はなされていない。
したがって、本研究は先行研究が明らかにした過去の状況を踏まえ、フィールドワークで得られた最新データによって、様々な事例の歴史的展開及び地域に与える影響や効果などを考察し、その問題点と今後の可能性を検証する。
一方、本研究の独自性は、体系的な博物館学の視点を打ち立てた上で、マクロのレベルでは文化政策学の視座、ミクロのレベルでは人類学的なコミュニティ・スタディの手法を併用して、第三者として、事例における動きを総合的に評価しようとしている。また、博物館学の視点から文化政策学及び人類学の境界にある対象を扱い、研究アプローチもこれら三つの手法を融合的に用いようとしており、この分野の研究に新たな展開をもたらす可能性を宿している。

研究成果レポート