国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

巻頭コラム

「きのうよりワクワクしてきた。」イベント紹介 2005年4月28日刊行

  

・Contents・

【1】特別展「きのうよりワクワクしてきた。」開催中です
【2】学習キットみんぱっくに「ブリコラージュ」パックが仲間入りしました
【3】「音楽の祭日2005」出演者募集中
【4】5月4日(水・祝)は開館、5月5日(木・祝)は無料観覧日です
 ☆編集後記

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【1】特別展「きのうよりワクワクしてきた。」開催中
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http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/special/brico/index

「きのうよりワクワクしてきた。」
      ブリコラージュ・アート・ナウ 日常の冒険者たち

民族学者のレヴィ=ストロースは、未開社会特有の思考法にブリコラージュという言葉をあたえました。目的や概念に即して手段を講じる近代科学的なアプローチに対して、未開社会では、ありあわせの道具と材料を元に何かをなしとげようとします。カレーライスをつくろうとして材料を買いそろえるのではなく、冷蔵庫のなかのあり合わせの材料でつくるお総菜のようなもの、といえばわかりやすいでしょうか。

私たちの身の回りにあふれる工業製品はある用途や機能をはたすためにつくられています。ジュースの缶はジュースを容れるためにあるのです。だから、中身のジュースがなくなれば、空き缶は用済みになって捨てられてしまいます。いっぽう、レヴィ=ストロースのいう未開社会では、手にはいる材料はその特性におうじて最大限有効に活用されました。空き缶はケロシン・ランプになったり、帽子や鞄や子どもの玩具に早変わりします。私たちは意表をつかれ、そこにジュースの缶の可能性と作り手の創造力とを垣間見るのです。

ブリコラージュ・アートという耳慣れない言葉でとりあげようとしているのは、私たちのありふれた日常生活を対象にした表現活動や、その活動の結果として生み出される作品群です。身の回りにあふれるなんでもない素材が、アーティストの魔法にかかって埋もれていた価値を花開かせてゆく。こうしてつくられる作品は、私たちの日常をゆさぶるはずです。ありふれてみえた世界はそれまでとちがった光彩をはなちはじめる。はじめて旅する異国にいるかのように、時間はあゆみをゆるめる。展示場をあとにするときに、そんな経験をもつことができたら幸福だとおもいます。

この展示の目的は、ブリコラージュを糸口にしながら、現代人のかかえるアイデンティティ・クライシスや生きる意味の喪失感に対して、人間性の回復を訴えることにあります。かつて未開社会がかなえてくれた統合的な人間像は、すでに私たちの元にはありません。現代社会は、生きることが同時にその意味の解決をもたらしてくれる社会ではないのです。展示の背景にはひとつの社会イメージがあります。それは、社会の理想にあわせて、個人が無理をしなければならなかったり、リストラをしたりするのではなく、生きる目的をもった個人の、あるがままの個性の集合を前提にした社会。つまり、ブリコラージュな社会への夢です。

佐藤浩司
以上「展示趣旨」より抜粋

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!!!イベントのお申し込み・お問い合わせは情報企画課 情報企画係まで!!!
 Tel:06-6876-2151 e-mail:kikaku@idc.minpaku.ac.jp

http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/special/brico/event

◆野村誠+P-ブロッ演奏会&しょうぎ作曲

日時:4月29日(金・祝)
 11:00~12:30 しょうぎ作曲
 14:00~14:30 演奏会
 15:30~16:00 演奏会
4月30日(土)
 11:00~11:30 演奏会
 14:00~14:30 演奏会
 15:30~16:00 演奏会
出演:P-ブロッ(野村誠、林加奈、吉森信、しばてつ、鈴木潤)
内容:野村さんが率いる鍵盤ハーモニカ楽団「P-ブロッ」が、複数の鍵盤ハーモニカによる見事なアンサンブルを聞かせます。

◆珍しいキノコ舞踊団 パフォーマンス

日時:5月3日(火・祝)16:00~(予定)
   4日(水・祝)/5日(木・祝)各日13:00~、15:00~の2回(予定)
場所:特別展会場
出演:珍しいキノコ舞踊団
内容:様々な空間でダンスを作り上げてきた<珍しいキノコ舞踊団>が、日常の中で立ち上がるダンスというものについて、そのスキームとメソッドを実演を交えてディスクローズ

◆豊嶋秀樹+graf ワークショップ<ブリコラージュな家具づくり>

日時:5月7日(土)、8日(日)13:00~16:00
場所:特別展会場
定員:各日30名(事前申し込み制)
講師:豊嶋秀樹(graf)
内容:本展の展示空間の演出・制作を担当した豊嶋秀樹(graf)による家具づくりのワークショップです。

◆グラス・マーケッツ 朗読パフォーマンス<Go hoMe>

日時:5月14日(土)、15日(日)各日13:00~、15:00~の2ステージ
場所:特別展会場
出演:グラス・マーケッツ
内容:「家」をテーマに、展示場の各部屋から同時に朗読をおこないます。リビング、台所などなど、それぞれの部屋で交わされるであろう何気ない日常の会話を集めた、ブリコラージュ朗読作品。展示場にある楽器なども使用し、展示場全体でリズミカルに言葉と音を奏でます。

◆小山田徹 ワークショップ <わくわく収蔵庫散歩>

日時:5月28日(土)、29日(日)13:00~、15:00~の2回
場所:民博 収蔵庫
定員:各日15名×2回(当日先着順)
講師:小山田徹
内容:展示場のデザイン・制作を担当した小山田徹の案内で民博収蔵庫のなかを散歩して、本展に参加したアーティストの感動と驚きを追体験します。その後、展示場で体験を記録するワークショップをおこないます。

◆折元立身 パフォーマンス&コラボレーション
<ビッグシューズをはいてみよう><パン人間になろう>

日時:6月4日(土)、5日(日)11:00~
場所:特別展会場
定員:各日20名(事前申し込み制)
出演:折元立身
内容:自分たちで作った<ビックシューズ>をはいて、展示場、万博公園内を歩き回ります。

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【2】学習キットみんぱっくに「ブリコラージュ」パックが仲間入りしました
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http://www.minpaku.ac.jp/museum/kids/minpack/bricolage/

「みんぱっく」に特別展「きのうよりワクワクしてきた。ブリコラージュ・アート・ナウ日常の冒険者たち」にちなんだ「ブリコラージュ」パックが仲間入りしました。

特別展見学の事前・事後学習のときに、特別展の内容や「ブリコラージュ」という営為を分かりやすく学ぶことができるように構成されています。また、常設展示場の展示資料を「ブリコラージュ」という視点で見学することで、モノが本来持つ力や魅力を再発見できるようにも工夫されています。

パックのなかみは…
☆ブリコラージュなモノ
 ⇒ブリキ缶バック、タイヤのサンダル、親指ピアノ、ビニール製トリの人形
☆「“ブリコラージュ”って、なんだ?」(紙芝居とOHPシート形式)
 ありきたりの毎日をワクワクする日常に変える“ブリコラージュ”を分かりやすくご紹介。
☆特別展にご協力いただいたアーティストのブリコラージュな創作活動をご紹介
 鈴木昭男、松浦萌、伊達伸明、フジタマ
☆授業展開ファイルなど
 「ブリコラージュ」パックやみんぱくの展示物を活用した授業が手軽に導入できます。

「ブリコラージュ」パックは現在予約受付中。貸出は5月9日(月)から開始します。

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【3】「音楽の祭日2005」出演者募集中
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http://www.minpaku.ac.jp/museum/event/fetedelamusique/2005/index

みんぱくでは、6月19日(日)(10:30~16:30)に開催する「音楽の祭日2005」への出演者を募集しています。昨年は、11組の出演者が世界各地の楽器を使ってさまざまな音楽を個性豊かに奏でて、この日を祝いました。
今年もみなさんのご応募をお待ちしております。
もちろん観客としてのご来館も大歓迎です。

申込方法: 上記URLの応募要項の中にある「音楽の祭日 民博会場申込書」に必要事項をご記入の上、5月13日(金)必着で郵送またはFAXで下記までお送りください。
申込み・問い合わせ:
〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1
国立民族学博物館情報企画係 担当)宇治谷、加藤
TEL:06-6878-8673 FAX:06-6878-7523

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【4】5月4日(水・祝)は開館、5月5日(木・祝)は無料観覧日です
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毎週水曜日は休館日となっていますが、5月4日(水・祝)は開館いたします。振り替え休館はありません。
5月5日(木・祝)は無料観覧日となっております。

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☆編集後記

ソメイヨシノがすっかり散ってしまった雨上がりの朝、公園東口の道に、米粒のように細かいものが一面に散らかっていました。よくよく見ると、道にかぶさるケヤキ並木から、無数の花が落下していたのでした。花見が終わって、これから新緑になることの前ぶれだったようです。夏にむけてみるみる育つ緑を見るついでに、民博にもお立ち寄りください。

飯田卓