国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

特別展「越境する民族文化」

共和暦4年
1795・1796


フランス革命の理念である「平等」と「自由」が大きく書かれている。
共和暦6年
1797・1798

図柄の天体望遠鏡はこの暦が科学的知識にもとづいていることを示している。
(フランス国立民芸博物館所蔵)

フランス革命暦の成立
フランス革命がはじまってから4年経った1793年9月、国民公会(革命政府)は公共教育委員会委員長ジルベール・ロムの改暦提案を採択し改暦案起草委員会を設置しました。9月20日、ロムは国民公会で革命暦に関する報告をおこない、11月24日国民公会で正式に可決され、公布されました。

フランス革命暦について
  1. 1年のはじまりは、パリにおいて太陽が秋分点を通過する日である。
  2. 王政が廃止された1793年の秋分である9月21日の翌22日に始まる年を共和国第1年とする。
  3. 1年365日を1ヶ月30日として12ヶ月に分け、残り5日を年末におく。
  4. 週を廃止し、1ヶ月を10日ごとの三旬(デカード)に分け、10日・20日・30日を休日とする。
  5. 1日を10時間、1時間を100分、1分を100秒とする。

フランス革命暦の月名
第1月 ヴァンデミエール=ぶどうの月
第2月 ブリュメール=霧の月
第3月 フリメール=霜の月
第4月 ニヴォーズ=雪の月
第5月 プリュヴィオーズ=雨の月
第6月 ヴァントーズ=風の月
第7月 ジェルミナール=芽生の月
第8月 フロレアール=花の月
第9月 プレリアール=草の月
第10月 メッシドール=収穫の月
第11月 テルミドール=熱月
第12月 フリュクティドール=実月

フランス革命暦の廃止
1801年、当時執政官であったナポレオンは、ローマ法王庁と協定を結んで、まず週と宗教上の聖日を公認し、その5年後、皇帝となったナポレオンは従来のグレゴリウス暦を復活させ、時刻法も旧制のものに戻してしまいました。フランス革命暦の寿命はわずか12年あまりでした。
参考文献:岡田芳朗・阿久根末忠編著 『現代こよみ読み解き事典』(柏書房)
桑原武夫編 『フランス革命の研究』(岩波書店)