国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

新しくなったみんぱく電子ガイドとビデオテークのご案内

みんぱくでは、2016年度に完成した本館展示の全面改修を機会に、来館者が楽しみながら、展示情報を得られる環境づくりを目指し、2017年度より、パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社と協定を結び、産学連携事業として新たなみんぱく電子ガイドの開発と、そのみんぱく電子ガイドと連携した新ビデオテークシステムを構築するプロジェクトを推進してきました。

 
 

新たなみんぱく電子ガイド

電子ガイドは、1999年から運用されている展示案内のツールであり、展示資料の詳細情報を音声付きの動画(電子ガイド番組)で紹介するものです。今回開発した電子ガイドはみんぱくでは第三世代にあたり、情報を 提供する端末がプレイステーション・ポータブルからスマートフォンに変わりました。

特徴① 多言語化システム

さまざまな国から来日した来館者のために、多言語化システムを導入しております。
現在、日本語、英語、アラビア語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、フランス語、ロシア語、スペイン語、韓国語の言語が選択可能になっています。
また、展示場では、QRコードを利用した多言語サービスを行っています。

特徴② AR(拡張現実)による電子ガイド番組提供

スマートフォンのAR機能を利用し、電子ガイド番組の該当資料が見つけやすくなりました。
従来は、対象となる資料の近くに設置した電子ガイド番組の番号と画面上の電子ガイド番組の番号を照合し、それを選択・再生して視聴していましたが、新たな電子ガイドでは、スマートフォンのカメラの画面をむけると資料と対応した電子ガイド番組が提供される機能を持たせました。

特徴③ ツアー機能

「テーマでたどる」では衣、食、住、生業、娯楽、人生儀礼、宗教の視点からみた14のストーリーに基づいた資料を電子ガイドが展示場所まで案内します。
観覧した資料をチェックすると電子スタンプが取得でき、さらに一つのストーリーを観覧し終えるとツアー終了のスタンプがもらえます。

特徴④ ナビゲーション機能

みんぱくは、展示場がひろいため、来館者がトイレや休憩場所にいきたくても、なかなかたどり着けないという意見がありました。そこで新しい電子ガイドには、館内各施設のピクトサインをタップすることで、現在地からその場所までを音声とバイブレーションでご案内する機能を導入しました。

特徴⑤ QRコードによる閲覧履歴の記録

電子ガイド使用後、メールアドレスを登録・送信すれば、QRコードと番組の閲覧履歴が返信されます。送られたQRコードを自身のスマートフォン等に登録し、次回来館したとき、電子ガイドにそのQRコードを読み込ませると前回の閲覧記録をみることができます。
また、返信メールでQRコードとともに送られてきたURLをクリックすると、閲覧履歴が一覧表示されるとともに、関連する標本資料のサムネイル画像、データベース上の目録情報やビデオテークの関連番組タイトルなどを確認することもできます。

 
 

新ビデオテーク・システムの構築

ビデオテークは、世界のさまざまな地域で暮らす人びとの生活や儀礼、芸能などを映像で紹介するシステムです。地域やテーマなど番組を検索し視聴することができます。これらの番組はビデオテークブースや多機能端末室でご覧いただくことができますが、今回電子ガイドと連携した機能をもつ新たなビデオテークシステムを構築し、ビデオテークブースも新装しました。

特徴① みんぱく電子ガイドとの連携

パナソニックの独自技術の光ID(LinkRay™)を利用した電子ガイドとの連携機能を導入しました。新たな電子ガイドで展示場を観覧いただいた後、ビデオテークブースにてビデオテークと電子ガイドを連携することにより、電子ガイドの閲覧履歴からビデオテークのおすすめ番組が提示されます。

特徴② ビデオテークブースの新装

背もたれの角度が緩やかになり、従来よりも座りやすい座席となり、背もたれの背面に半透明のシールドを設置し、プライベート感を創出しています。また、画面モニターを43インチから60インチに変更し、より見やすい画面になりました。
さらに、車椅子でも利用できるブースを増設し、より多様な来館者が利用しやすいビデオテークへと進化しました。