1.X線写真とは?
 
  もどる

X線は,1895年にドイツの物理学者 W.C.レントゲンが発見しました。 彼はその功績によって,1901年に第1回ノーベル物理学賞を受けました。 レントゲンはこの発見の直後に,当時のベルリン国立美術館の油絵を使っ てX線透視を試みています。

わが国では,1934年に京都帝国大学の志田順教授(物理学)が大阪 府高槻市の阿武山古墳の出土品でX線透視試験をしたのが文化財への最 初の応用でした。

X線は光の仲間です。同じ厚さのガラスと木の板を光に向けてみると, ガラスは光を通しますが,木は通しません。同じようなことが,X線で もおこります。X線は普通の光とくらべると,五百から数万倍のつよい 力(エネルギー)で物質の中を通り抜けることができます。しかし,波 長が大変短く,人間の目ではその存在を直接確かめることはできません。 そこで透過してきたX線を,専用の写真フィルムを使って感光させるこ とで,その量を視覚的に知るようにしたものがX線写真です。

(最終更新:1998年4月1日)