国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。
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国立民族学博物館研究報告

『国立民族学博物館研究報告』は、民族学(文化人類学)の発展に寄与するために、国立民族学博物館が刊行する研究誌です。この目的に即して、民族学、人類学および関連諸科学に関する論文、書評論文、資料、研究ノートを掲載しています。年4回出版。

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国立民族学博物館研究報告 2018 43巻1号

2018年7月18日刊行

バックナンバー

目次

 

42巻4号 All 43巻2号

概要

 

 

「土地」を所有する現在
―パナマ東部先住民エンベラから見る「境界画定」―
近藤宏

 20世紀終わりの先住民の権利のための政治的運動は,先住民の暮らす場に対する権利を認め,その場所の境界画定をもたらした。先住民の権利を確立し,それが及ぶ範囲を可視化する点で重要なその成果に対して,生活領域の境界を定めることは先住民の暮らしに何を生むことになるのかという疑問が,南米の低地地域の先住民社会を専門とする人類学者から提起された。その問いを引き継ぎ,本稿では,今日のパナマ東部の先住民エンベラによる社会生活において新奇なものである土地の境界線がいったい何をもたらしているのかを考察する。具体的な考察対象は,エンベラの社会生活に見られる二つのタイプの境界線(特別区の境界線,所有区画の境界線)である。前者は先住民の集団的権利を確定するための線,後者はそれぞれの土地所有者の所有区画を定める線である。これらの境界線によってなされていることを,排除と所有関係という観点から考察し,今日のパナマ東部の先住民エンベラによる社会生活に,土地利用をめぐって新しい道徳が形成されていることを示す。

1 本稿の問いと視点
  1.1 先住民の権利と土地の境界画定
  1.2 境界線という主題
  1.3 所有に関する人類学的議論
2 調査対象について
  2.1 先住民エンベラについて
  2.2 特別区制度
  2.3 調査地の概要
3 二つの境界線
  3.1 特別区の境界線
  3.2 区画の境界線
  3.3 囲い込まれない土地
4 土地利用における境界線
  4.1 土地利用の仕方
  4.2 土地所有のための境界線
  4.3 線としての区画
  4.4 排除による所有
5 継承と利用
  5.1 批判される継承
  5.2 利用なき継承
6 二つの所有関係
  6.1 所有の持続性
  6.2 継承の前提としての利用
  6.3 行為による所有
7 二つの所有枠組みの関係性
  7.1 〈作物〉と〈土地〉
  7.2 物質性への/からの作用
  7.3 排除の作用をうけない運動
  7.4 コロノを排除しない境界線
8 結論 新しい道徳を開くための境界線

* 立命館大学

キーワード:エンベラ,所有,先住民の権利,境界画定,排除

 

 

みんぱく開館40周年にあたって
吉田憲司

* 国立民族学博物館長

キーワード:国立民族学博物館,民族誌コレクション,フォーラム,フィールドワーク

 

 

ミュージアムと人類学的想像力
―開館40 周年に際して国立民族学博物館を位置づける―†
アンソニー・アラン・シェルトン

1 Scientific Anthropology and the Birth of Ethnographic Museums
2 The Origins of Critical Anthropology and Museological Resistance
3 Scientific and Critical Anthropology in the History of MINPAKU
4 Challenge and Change: MINPAKU and the ‘Anthropological Imagination'

† Speech on the Occasion of the 40th Anniversary of the Opening of the National Museum of Ethnology
* University of British Columbia, Vancouver

キーワード:ミュージアム,みんぱく,人類学的想像力,博物館学,歴史

 

42巻4号 All 43巻2号
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