国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。
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国立民族学博物館研究報告

『国立民族学博物館研究報告』は、民族学(文化人類学)の発展に寄与するために、国立民族学博物館が刊行する研究誌です。この目的に即して、民族学、人類学および関連諸科学に関する論文、書評論文、資料、研究ノートを掲載しています。年4回出版。

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国立民族学博物館研究報告 2017 41巻4号

2017年3月30日刊行

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目次

 

41巻3号 All 42巻1号

概要

災害記憶の物象化
―東日本大震災被災地における災害遺構をめぐる個人体験の対立・葛藤―
林勲男

 東日本大震災発生後の被災地では,災害遺構が研究者,マスメディアそして一般の注目を集めた。それらは自然のすさまじい破壊力を訪れる人びとに伝え,同時に犠牲者やその遺族への悲しみの念を抱かせるという期待があった。その一方では,一刻も早くそうした災害遺構を解体・撤去して欲しいとの要望も,とりわけ災害で亡くなった人たちの遺族を中心に表面化してきた。遺構は様々な記憶を喚起する。災害そのものの記憶であったり,災害発生前の生活であったりする。
 この論文では,災害遺構をめぐる人びとの対立と一個人の中でも発生した葛藤について,集合記憶を形成していくプロセスとして明らかとしたい。

1 Introduction 2 Transferring Disaster Experience: Memory, Records and Lessons
  2.1 Social Scientific Approach to Memory
  2.2 Lessons Learnt from Past Disasters
  2.3 Transferring Experiences
3 The Great East Japan Earthquake
  3.1 Past Tsunami Disasters and their Records
  3.2 Tsunami Stone Tablets
  3.3 Disaster Remains
  3.4 The Controversial Cases of Remains
4 Disaster Monuments for Prayer, Education, Healing and Tourism
5 Conclusion: for Future Disaster Reduction

* 国立民族学博物館文化資源研究センター

キーワード:集合記憶,体験,東日本大震災,対立・葛藤,災害遺構

本館展示の新構築とその心
―40年ぶりの改変をおえて―
須藤健一

 本稿は,2017年2月15日に本館のボランティア・グループ「みんぱくミュージアム・パートナーズ(MMP)」のステップアップ講座において講演した内容を大幅に加筆修正した論考である。

はじめに
1 みんぱく今昔
  1.1 渋沢敬三とアチック・ミューゼアム
  1.2 大阪万博とみんぱく
  1.3 写真によるみんぱく前史
2 みんぱく創設時の展示構想と開館
  2.1 研究博物館と地域展示
  2.2 展示の基本構想と手法
  2.3 写真の語る開館期の展示
3 みんぱく40 年ぶりの新構築
  3.1 フォーラム展示とグローカル展示
  3.2  新しい展示構想の実践
  3.3 写真に見る新構築展示
4 みんぱくの美術展示と国際貢献
  4.1 美術館と博物館のあいだ
  4.2 国際連携展示の推進
おわりに
1 みんぱくのこれから
2 Info-Forum博物館の構築

* 国立民族学博物館長

 

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