国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

高等教育機関を対象にした博物館資料の活用に関する研究

共同研究 代表者 呉屋淳子

研究プロジェクト一覧

キーワード

博物館資料、Faculty Development、高等教育機関

目的

近年、日本の高等教育機関では、大学教員の教育能力の向上が推進されており、個々の大学で大学教育の改革(Faculty Development、以下、FD)が行われている。特に、大学教員を対象としたワークショップでは、学生主体の学びの開発が重視されていることから、学習教材の一つとしてモノ資料が見直されつつある。しかしながら、大学教員による博物館の利用は、展示見学にとどまっており、モノ資料による思考のあり方を検討するまでには至っていない。
そこで、本共同研究では、大学教員が博物館という「場」に足を運ぶ機会を提供し、モノ資料に触れ、それを活用した教育実践を、博物館関係者を交えて議論し、高等教育機関と博物館の連携による、より創造的な教育の可能性について検討を試みる。このような取り組みを通して、モノ資料を用いたFDの発展的貢献を図るとともに、大学と博物館とのアクセス回路の構築および高等教育機関における博物館資料の積極的な活用を目的としている。

2017年度

基本的には、平成28年度と同じ段取りで研究会運営を行う。本共同研究会は、ひとつの学問分野や領域にとらわれず、多くの研究者とのネットワークを構築しながら研究会を開催することも目的としている。高等教育機関における博物館資料に関する教育的研究の意義と役割を探究するためには、実際に教育活動を行う教員と博物館側との対話も欠かすことができない。また、教育を学校教育と同一視せずに、教授過程という観点から広く捉え、現代社会における大学教育改革のみならず、大学共同利用機関としての国立民族学博物館および国内外のミュージアムの機能や役割を把握し、比較教育学および人類学の双方の視点を導入しながら議論する。特に、大学教員主体の教育能力の向上、学生主体の学習の開発に関するFDの再検討を通して、モノ資料の活用の可能性を明らかにしながら、これまでとは異なるアプローチを通して、博物館と高等教育機関が連携した新たな学びを構築する。

【館内研究員】 河合洋尚、吉岡乾、永田貴聖
【館外研究員】 石倉敏明、稲澤努、金田純平、黒田賢治、五月女賢司、坂本昇、末森薫、時任準平、如法寺慶大、横山佐紀、吉田早悠里
研究会

2016年度

共同研究会は毎回、3つの部に分けて開催する予定である。 (1)担当者を決め、教養教育および専門教育におけるおけるモノ資料の活用に関する事例の発表を行い、教育現場と博物館の両者で情報を共有し、参加者で討論を行う。同時に、現在の大学が目指す「アクティブ・ラーニング」の現状について参加者で検討し、博物館資料がもつ教育的な意義とその可能性について議論を行う。そこで得られたことをもとに、異文化理解におけるインタラクティブな教育にいてさらに議論を深める。 また、博物館・美術館のモノ資料だけでなく、突発性な場合に関する知見を深めるために、東北の被災地の文化財レスキューに関する最新の研究について情報を共有し、モノ資料の多様な捉え方について議論を深める。 (2)共同研究構成員および特別講師より発表者2~3人を選定し、1人約1時間の持ち時間で発表を依頼する。発表者はレジュメを事前に参加者全員にメールで流し、参加者は予め目を通しておく。

【館内研究員】 河合洋尚、吉岡乾、末森薫、永田貴聖
【館外研究員】 稲澤努、金田純平、黒田賢治、五月女賢司、坂本昇、時任準平、如法寺慶大、横山佐紀、吉田早悠里
研究会
2016年4月23日(土)14:00~19:00(国立民族学博物館 第3演習室)
呉屋淳子(山形大学)成果物に関する打ち合わせ
呉屋淳子(山形大学)「ミュージアムが内包する高等教育の可能性」
総合討論
発表の計画概要(参加者全員)
2016年12月17日(土)14:00~18:00(国立民族学博物館 第3演習室)
河合洋尚(国立民族学博物館)「民族教育の<場>としての博物館――中国、オーストラリ アにおける華人系資料の活用」
稲澤努(尚絅学院大学)「大学教育における博物館資源の活用――みんぱっくを事例として」
2016年12月18日(日)10:00~15:00(国立民族学博物館 第3演習室)
石倉敏明(秋田公立美術大学)「メソコスムとしてのミュージアム体験」
時任隼平(関西学院大学)「教科「情報」におけるみんぱっくを使った情報収集能力育成に関する実践」
如法寺慶大(南山大学)「博物館に『参加』する――博物館作業の経験から得る学びの一事例」
出席者全員「これまでの議論の整理と来年度の出版計画について」

2015年度

最初の共同研究会は、主に2つの部に分かれる。
(1)申請者が趣旨説明を行い、問題提起を行う。それに対し、共同研究構成者が各自の研究と関連付け、議論を深めるとともに、問題意識を共有する。
(2)国立民族学博物館の助教および機関研究員による展示場や収蔵庫の説明および見学を行い、博物館資料の知識だけでなく、展示構築の経緯やモノ資料の扱いについて知見を深める。

【館内研究員】 金田純平、河合洋尚、末森薫、吉岡乾
【館外研究員】 稲澤努、黒田賢治、五月女賢司、坂本昇、時任準平、如法寺慶大、横山佐紀、吉田早悠里
研究会
2015年11月21日(土)13:00~17:00(国立民族学博物館 第4演習室)
呉屋淳子(山形大学)「共同研究会の趣旨説明」
全員 研究員メンバー自己紹介
全員 各会の発表者の調整
2015年11月22日(日)10:00~16:00(国立民族学博物館 第4演習室)
呉屋淳子(山形大学)高等教育機関における博物館資料の活用―みんぱっくの活用例―
稲澤努(尚絅学院大学)フィールドワーク演習の講義における博物館資料の活用―みんぱっくの使用方を学ぶ―
展示場の解説(中国・朝鮮半島・沖縄)河合洋尚、呉屋淳子(南アジア)吉岡乾(ビデオテーク)金田純平