国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

沙流川調査を中心とする泉靖一資料の再検討

研究期間:2019.10-2022.3 代表者 大西秀之

研究プロジェクト一覧

キーワード

アイヌ研究、文化的景観、イオル再生事業

目的

本研究では、国立民族学博物館所蔵の「泉靖一アーカイブ」を対象として、泉によって提示されたアイヌ社会像の再検討を試みる。具体的には、泉靖一が「イオル論」をはじめとするアイヌ社会モデルの構築に至った沙流川流域での調査資料を中心とする基礎データを、今日的な研究成果や社会意義などから改めて読み解くことにより、その新たな学術的・社会的活用の可能性を追究する。
このような目的の下、本研究では、まず①アイヌ研究に関連する文化/社会人類学・歴史学・考古学などの現在までの成果と、②アイヌ文化振興にかかわる諸政策・事業活動の成果を踏まえ、多角的に泉靖一の調査資料・データの再検討を行うことにより、単なる政治・政策的な批判や歴史的事実関係の正否の検証にとどまらない新たな評価や解釈の可能性を追究する。その上で、現在平取町を含む北海道各地で推進されている、「伝統的生活空間(イオル)」の再生事業をはじめとするアイヌ文化の継承や振興に対して、泉靖一の調査資料が果たしうる貢献や役割を検討する。

2019年度

本研究では、3年間で計8回の研究会の開催を計画している。なお本研究は、泉靖一アーカイブを対象とした検討を行うため、資料・データの実見・検討に基づく報告・議論を原則として各回2日連続で実施する。
2019年度の第1回は、各メンバーの専門性と関心に基づき分担・役割を確認した上で、アーカイブから関連する資料・データを選別し、誰がどの資料・データをどのように分析・検討するか議論する。
第2回は、まず前回の検討を基にアーカイブを実見し、泉がイオルをはじめアイヌ社会像を構築した経緯にかかわる資料・データを抽出した上で、それらの資料・データに対して各メンバーが専門性を基に所見を報告し議論を深める。

【館内研究員】 河合洋尚、齋藤玲子
【館外研究員】 石村智、大塚和義、貝澤太一、萱野公裕、木村弘美、佐々木史郎、長野環、森岡健治、吉原秀喜
研究会
2019年11月24日(日)13:30~17:30(国立民族学博物館 第3演習室)
大西秀之(同志社女子大学)「共同研究趣旨説明――沙流川流域における泉靖一資料の再検討」
共同研究員自己紹介・研究計画
2019年11月25日(月)9:30~15:00(国立民族学博物館 第3演習室)
沙流川流域調査を中心とする「泉靖一アーカイブ」資料の実見
次回研究計画に向けての総合討論