国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

在学生の研究内容

更新日時:2017年3月16日

八木風輝YAGI Fuki

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専攻

比較文化学専攻

指導教員

主指導教員:寺田吉孝/副指導教員:福岡正太

研究題目/研究キーワード

■研究題目
中央アジアにおけるカザフ民族音楽の越境的な形成と実践に関する人類学的研究

■研究キーワード
モンゴル国、カザフスタン、カザフ人、カザフ音楽、音楽劇場

研究の概要

中央アジアのカザフスタンを中心に居住するカザフ人は、モンゴル国内にも約9万人が住んでいます。そしてモンゴル国のカザフ人のほとんどが、西部のバヤンウルギー県に住んでいます。彼らは、音楽文化を口頭伝承で伝え、演奏してきました。しかし1920年代から始まる社会主義時代に、音楽文化の一部は舞台化し、「音楽劇場」といった文化機関で演奏がされるようになりました。従来の研究では、社会主義時代の著名な音楽家やその楽曲に注目が集まり、音楽劇場とその内部の音楽家に焦点が合わせられて論じられてくることはありませんでした。

こうした背景から、私はモンゴル国の「バヤンウルギー県音楽ドラマ劇場(以下音楽劇場)」とそこに属する音楽家に注目し、次の2つのテーマに関して調査を行っています。1点目に、カザフスタンとの関係の中で、この音楽劇場がどのようにカザフ音楽を演奏してきたのかに関して。2点目に、1990年代に資本主義に体制が移行した後、どのようにカザフスタンとモンゴル国の間で戦略的に活動を行っているのかに関してです。この2つのテーマに沿って、実際にこの音楽劇場の音楽家として演奏活動を行いながら、調査を進めています。

この音楽劇場は、別名「モンゴル国内で唯一のカザフ音楽劇場」と呼ばれています。しかし、モンゴル国の少数民族としてカザフ音楽の演奏を行うことは、カザフスタンとの関係を含め、様々な政治的かつ経済的な問題、また演奏者に対する教育の困難に直面することになります。このような、社会主義時代に建てられた音楽劇場とそこで演奏する音楽家は、この資本主義の時代をどのように生き抜いていくのでしょうか。そうした問いを、本テーマの追求から考えていきたいと思っています。

フィールドワーク写真

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バヤンウルギー県音楽ドラマ劇場でのコンサート(2014年11月)

研究成果レポート