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テルアビブ・オン・ファイア

日時:
2022年02月12日 @ 13:30 – 15:50 Asia/Tokyo タイムゾーン
2022-02-12T13:30:00+09:00
2022-02-12T15:50:00+09:00
場所:
国立民族学博物館 みんぱくインテリジェントホール( 講堂)
テルアビブ・オン・ファイア

開催日 2022年2月12日(土)
時間 13:30~15:50(開場13:00)
場所 国立民族学博物館 みんぱくインテリジェントホール(講堂)
参加費 無料/要展示観覧券
定員 160名(要事前申込)
※事前予約の方へ入場整理券を11:00から本館2階会場入口にて配付します。
主催 国立民族学博物館

新型コロナウイルス感染症の予防のため、開催方法等を変更または中止する場合があります。事前にホームページでご確認ください。

みんぱくワールドシネマ 映像から考える<人類の未来>第50回上映会

テルアビブ・オン・ファイア תל אביב על האש / Tel Aviv on Fire

2018年/イスラエル・ルクセンブルク・フランス・ベルギー/97分/ヘブライ語・アラビア語/日本語字幕付き

【開催日】2022年2月12日[土] 13:30~15:50(開場13:00)
【監督】サメフ・ゾアビ
【出演】カイス・ナシェフ ヤニブ・ビトン
【司会・解説】菅瀬晶子(国立民族学博物館准教授)

テルアビブ・オン・ファイア

「映画解説」

撮影所で働くパレスチナ人青年と検問所のイスラエル軍司令官が、 イスラエルでも人気のパレスチナの連続ドラマの脚本にまつわる駆け引きや攻防を繰り返すうちに、 奇妙な交流を育むコメディ。 異国に憧れを抱きつつ、 プロデューサーの叔父のコネで、 第三次中東戦争前夜の1967年が舞台の『テルアビブ・オン・ファイア』の現場でヘブライ語の指導など下働きをするサラームは、 自宅のあるエルサレムに帰る途中に検問所で足止めを食らい、 イスラエル軍のアッシと出逢う。 妻も夢中のドラマ関係者と知ったアッシは、 ヒロインのパレスチナ人スパイの標的となるイスラエル軍の将軍役を膨らませるべく、 何かとサラームを呼びつけては、 展開に口出しするようになる。 そんな提案も奏功し脚本家に昇進したサラームは、 ドラマの結末をめぐり、 実戦で闘った叔父や気まぐれなフランス人女優、 ハッピーエンドにこだわるアッシらに振り回されながら、 誰もが納得する秘策を講じる。 1975年生まれのパレスチナ人監督サメフ・ゾアビは、 イスラエル人に敵意むき出しの旧世代にも、 理不尽な現状に甘んじる自身にも苛立つサラームが、 しぶとく活路を切り開く姿に、 パレスチナのジレンマと希望を投影。根深く続く対立に驚嘆の打開策で爆笑をかっさらう、 ヴェネツィア国際映画祭で受賞するなど絶賛された注目作。( 映画評論家 服部香穂里)

強者の無邪気な傲慢と、したたかな弱者の生き残り戦略

文化の盗用、 という言葉がある。ある文化圏の文化的象徴を、 別の文化圏の国や人間が自らのものだと主張したり、 商業利用したりすることを意味する。 ことに「盗まれた」側がマイノリティである場合、 レイシズムにつながるとして問題視されることが多い。 たとえば、 本作で登場するホンモス(ヘブライ語ではフムス)。 このひよこ豆のディップは、 パレスチナを含めた東地中海アラビア語圏の伝統料理のひとつだが、 イスラエルでも人気がある。 問題なのは、 この料理がアラブ由来と知りつつ、 イスラエル人が「フムス」をイスラエルの代表的な料理として海外で売り出していることである。 さらにアラブ人であれば、 誰もがフムスが好きで作るのも上手いという先入観をもって見る。 ところが本作の主人公であるパレスチナ・アラブの青年サラームは、 イスラエルの占領に由来するある理由でホンモスを苦手としている。 彼を脅迫するイスラエル軍の司令官アッシは、その理由を推し量ろうともしない。 まさに強者であるがゆえの無邪気な傲慢である。 移民国家であるイスラエルの食文化には、 東欧や南欧、 中東各地から「帰還」したユダヤ人が持ち寄った料理が入り交じっている。 建国70年以上を経て、 もはやフムスがイスラエルの食の一部であることは疑いようがない。 同様にパレスチナ・アラブの生活にもサワークリームやブレッカス(南欧ユダヤ人由来の小型のチーズパイ)が入り込み、 両者は文化的に混淆し、 依存しあっている。 しかしながら、 イスラエルが圧倒的強者である現状で、 果たして平和的共存など成り立つのか? したたかな弱者の生き残り戦略を、 ぜひとも見届けてほしい。( 菅瀬晶子)

映像から考える<人類の未来>国立民族学博物館 菅瀬晶子

映画がこの世に誕生して、120年あまり。最初は日常生活の一端を切り取ったものでした。いまや日本では年間に1300本に迫る数の映画が公開され、その内容も多種多様です。世界のさまざまな地域で、現在進行形で起きている問題を扱う作品も年々増えてきました。問題意識を喚起する手段として、映画は実に有効なのです。
みんぱくワールドシネマでは、所属する研究者の個別研究や現在進められている研究プロジェクトの内容に沿った映画を選び、その内容を研究者が解説することによって、最新の研究成果と映画のより深い理解を観客のみなさまと共有することを目的としています。紛争、差別、環境変動などを超えて、異なる価値観を持つ人びとはどう共存してゆくべきか。終映後、あらたな視座がみなさまの中に生まれれば、さいわいです。

申込みについて

  • 事前予約・定員制(先着順)での開催となります。
  • 受付期間:2022年1月13日(木)10:00~ 2月4日(金)17:00まで(定員になり次第受付終了)
  • ※ 解説時に手話通訳が必要な方は2022年1月21日(金)までにお申し込みいただき、メールにてその旨をお知らせください。
  • 定員に満たない場合のみ当日参加を受付けます。予約状況はイベント予約サイトでご確認ください。
  • 新型コロナウイルス感染症の状況によっては、イベントを変更・中止する場合がございます。また、ご入館に際しては感染症対策にご協力ください。
  • 事前予約の方へ入場整理券を11:00から本館2階会場入口にて配付します。

申込方法

イベント予約サイトからのお申込み

イベント予約サイト 2022年1月13日(木)10:00~

メール・電話からのお申込み

メール・電話での受付は終了いたしました。

お問い合わせ先

国立民族学博物館 企画課 博物館事業係
TEL:06-6878-8210(土日祝を除く9:00~17:00)
FAX:06-6878-8242