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築山欣央(TSUKIYAMA Yoshio)

在学生の研究内容

築山欣央(TSUKIYAMA Yoshio)

自治会役員の日系ブラジル人の作業風景

所属

地域文化学専攻

指導教員

主任指導教員:平井京之介/副指導教員:南真木人

研究題目

人の移動と地域コミュニティとの関係についての一考察―日系ブラジル人の意識と行動に焦点をあてて―

研究キーワード

移民、日系ブラジル人、デカセギ、外国人の集住、多文化社会

研究の概要

本研究の目的は、日本に居住する日系ブラジル人を対象として、その生活にかかわる諸場面をエスノグラフィーの手法により調査することで、在日日系ブラジル人の「定住」生活の理解の深化をめざすことである。

1989年の改正入管法による在留資格「定住者」の新設により、多数の日系ブラジル人が来日し、現在では20万人を超えるブラジル人が日本に居住している。これまで多くの研究で、日系ブラジル人については、集住地域での日本人住民との生活場面での衝突や、学校での日本語学習や適応など、問題状況として取り上げられ、頻繁に議論されてきた。

本研究では、在日日系ブラジル人の生活を、その居住の背景や環境(関係する諸要素)に目を向け理解をしようとする。例えば、豊田市保見ケ丘、静岡県浜松市など集住地域としてしばしば取り上げられる地域であっても、その内部では、日系ブラジル人の有り様は階層(就労、経済、教育、福祉など)として捉えることができる。また、居住の背景や環境は、一方で克服するべき点が含まれることもあれば、他方でその背景や環境を活用し積極的に自己実現につなげようとする社会ネットワークともなりうる。

本研究による在日日系ブラジル人の生活の理解の深化が、その豊かな有り様を描き出すことで、私は、彼ら彼女らが生きている日本の社会のあり方の理解の深化、あるべき社会のかたちへの希求につながるのではと考える。