アイヌのビーズ 美と祈りの二万年
館外での出版物
出版物情報
- 出版社:平凡社 出版社ホームページはこちら
- 定価:3,740円(税込)
- ISBN:9784582838961
- 判型:A5判 並製 カバー装
- 頁数:288頁
- 北東アジア地域研究(国立民族学博物館・北東アジア地域研究拠点)(研究期間:2016年4月~2022年3月)成果
主題・内容
北海道は、実はビーズアイランドだった。2万年前の石の玉から、現代のアイヌ工芸家が作る首飾りまで、北海道におけるビーズ文化の持続と変遷をたどり、世界のビーズ文化のなかに位置づける。
おすすめのポイント、読者へのメッセージ
国立アイヌ民族博物館の特別展、民博の巡回展として2021年に開催された「ビーズ アイヌモシリから世界へ」から生まれた本である。豊富なカラーページとともにアイヌのビーズ研究の最前線の論考とコラムで構成されている。
目次
序章 二万年のビーズアイランド <池谷和信>
【第一部】 北海道およびその隣接地域におけるビーズの歩み
第1章 北東アジア大陸部と北海道の旧石器時代ビーズ <高倉純>
第2章 多様な素材と縄文・続縄文ー北海道におけるガラスビーズ出現前夜の特徴とは何か<鈴木建治>
[コラム]弥生・古墳時代のビーズ <谷澤亜里>
第3章 ガラス玉の導入と流通 <高橋美鈴>
[コラム]交易と玉ー元から明にかけて <中村和之>
第4章 「タマサイ」と「シトキ」の成立 <越田賢一郎>
第5章 玉がつなぐアイヌと和人 <関根達人>
[コラム]交易と玉ーサンタン交易 <佐々木史郎>
[コラム]アイヌの物語のなかのタマサイ <内田祐一>
第6章 明治・大正・昭和時代の北海道のタマサイー玉の素材、飾り方、役割 <池谷和信>
[コラム]樺太アイヌにとってのガラス玉・ビーズ <田村将人>
第7章 アイヌのビーズを展示するー国立アイヌ民族博物館特別展(二〇二一)の事例から <池谷和信>
[コラム]アイヌ民具収集とタマサイの価値観についてー白老地区の聞き取りから <八幡巴絵>
[コラム]タマサイが語るアイヌ文化 <押野朱美>
第8章 タマサイの現在と未来 <齋藤玲子>
[コラム]グローバル時代のアイヌ工芸とビーズ <北嶋由紀>
【第二部】 世界のなかのアイヌのビーズ
第9章 「文化圏」の視点でみるアイヌのビーズ <池谷和信>
第10章 動物皮からガラスビーズへー北東アジア(ロシア)少数民族コリャーク <呉人惠>
[コラム]北太平洋の毛皮交易とビーズ <手塚薫>
第11章 ビーズ素材とその変化ー北アメリカ北方地域先住民 <齋藤玲子>
第12章 ガラスビーズの伝統と創造ー台湾原住民族パイワン <野林厚志>
[コラム]現代に生きる貝ビーズ <宮地鼓>
第13章 ビーズの生産と消費ー南アジア <遠藤仁>
第14章 「記憶装置」としての首飾りのビーズアフリカの牧畜民サンブル <中村香子>
[コラム]ガラスビーズとアフリカ <戸田美佳子>
[コラム]ビーズの歴史の終着点か <関口由彦>
結論 二万年にわたる美と祈りを求めて <池谷和信>