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近代ヒスパニック世界と文書ネットワーク ★

館外での出版物

2019年3月29日刊行

吉江貴文(編)

悠書館
【共同研究成果】

出版物情報

主題・内容

近代初期、ヨーロッパからアジアに至る広大な領域を配下に治めたスペイン帝国の成立原理について、大陸間を接続する壮大な文書ネットワークの成立・展開・変遷プロセスという視点から解明を試みた学際プロジェクトの成果。

おすすめのポイント(読者へのメッセージなど)

人類学、歴史学、識字・リテラシー研究、エスノヒストリーなど、スペイン帝国をめぐる学際研究の最前線を示すとともに、これからスペイン、ラテンアメリカ、フィリピン等において文書史料研究を志す学生や若手研究者に向けた実践的な調査ガイドブックとしても役立ちます。

目次

「近代ヒスパニック世界と文書ネットワーク」の構想と課題(吉江貴文)

Ⅰ 文書循環サイクルの成立過程

スペイン帝国の植民地統治と文書 中央アメリカのチアパス地方王庫(1540-1549)を事例として(小原正)
スペイン帝国の文書ネットワーク・システムとフィリピン-インディアス総合文書館所蔵フィリピン総督文書の検討―(清水有子)
検索可能なアーカイブの構築―スペイン異端審問の文書管理―(坂本宏)
イエズス会のグローバルな文書ネットワーク・システム―スペイン領南米パラグアイ管区の「年報」を中心に―(武田和久)

Ⅱ 文書の物質的諸相

紙の上の集住化 イエズス会ペルー管区モホス地方の洗礼簿の分析(齋藤晃)
植民地都市ラパスにおける公証人の文書作成術と公証人マニュアルの影響(吉江貴文)
テンプル/聖ヨハネ騎士団カルチュレールと文書管理─生成・機能分化・時間─(足立孝)

Ⅲ 帝国周辺社会における文書ダイナミズムの実相

有力入植者と王権をつないだ文書:初期メキシコ植民地の事例から(横山和加子)
植民地時代メキシコ中央部の先住民村落における「権原証書(Títulos primordiales)」の作成と使用(井上幸孝)
先住民の文書利用―17世紀ペルー・ワマンガの公正証書の分析を通じて(溝田のぞみ)
スペイン領メキシコにおける簿記行為−シモン・バエスの帳簿を中心に(伏見岳志)

Ⅳ 研究者の集合知

「近代ヒスパニック世界における文書ネットワーク・システムの成立と展開」研究者の集合知の可視化の試み(中村雄祐)

付論・「集合知の可視化プロジェクト」に対する編者からのコメント(吉江貴文)