ナラティヴ・ポリティクスとしての異人論―不寛容時代の〈他者〉をめぐる物語 ★
館外での出版物

書名 | ナラティヴ・ポリティクスとしての異人論―不寛容時代の〈他者〉をめぐる物語 |
著者名 | 山泰幸、西尾哲夫編 |
出版社 | 臨川書店 |
発行年月日 | 2024年11月25日 |
判型・体裁 | A5版 |
頁数 | 410頁 |
ISBN | 9784653045861 |
定価 | 5,390円(税込) |
研究 | 共同研究成果: グローバル時代における「寛容性/非寛容性」をめぐるナラティヴ・ポリティクス (2018.10-2022.3) |
主題・内容
文化人類学や民俗学で蓄積されてきた「異人論」から着想を得て、〈他者〉に対する歓待や排除をめぐる物語・語りを「ナラティヴ・ポリティクス」という視点から読み直し、不寛容時代を乗り越える手掛かりを探る。
おすすめのポイント、読者へのメッセージ
〈他者〉への偏見や差別が激化していく不寛容時代に対して、人文学はいかに向き合うべきか。文化人類学、民俗学、社会学、文学など人文学からの応答の試み。
目次
序章 ナラティヴ・ポリティクスとしての異人論(山泰幸・関西学院大学)
第1部 〈他者〉をめぐる物語としての異人論の現在
第1章 グローバルデジタル時代の新たな《異人》論へ(西尾哲夫・国立民族学博物館)
第2章 渡し守の文学・序説──異人が異人を渡すとき(君野隆久・京都芸術大学)
第3章 異人としての狐──アメリカのナラティヴに変容する東アジアの民話(カルディ・ルチャーナCardi Luciana・関西大学)
補論1 研究ノート「寄りもの」と異人伝承──土佐佐賀における祭祀由来譚(川島秀一・東北大学)
第2部 フィールドから照射するナラティヴ・ポリティクス
第4章 異人から客家へ──中国広東省の「客」をめぐるナラティヴ・ポリティクス(河合洋尚・東京都立大学)
第5章 寛容性/非寛容性の観点からみる族譜における女性のナラティヴ──中国の漢族社会の事例に基づいて(韓敏・国立民族学博物館)
第6章 異人歓待の条件──インドの祝言者ヒジュラの通過儀礼(國弘暁子・早稲田大学)
第7章 現代イランの祭りと異人に対する寛容性(竹原新・大阪大学)
第3部 異類あるいは異なるものをめぐるナラティヴ・ポリティクス
第8章 異類の皮をめぐるナラティヴ・ポリティクス──おとぎ話と現代美術の接点から(村井まや子・おとぎ話文化研究所)
第9章 異類と害虫──スズメバチへの態度にみる寛容性と非寛容性(及川祥平・成城大学)
第10章 〈異〉なるものの生成と寛容/非寛容──コロナ禍におけるナラティヴとしての漫画作品より(小川伸彦・奈良女子大学)
第11章 迷惑・異人・自己責任──「不寛容の時代」とその起源(岩本通弥・東京大学)
第4部 ナラティヴ・ポリティクスを超えて
第12章 異人としてのろう者との架け橋としての手話民話語り──ろう文化と聴文化、二文化共生社会を目指して(鵜野祐介・立命館大学)
第13章 異人同士のナラティヴ── 発達障害の当事者同士が文学について語りあう(横道誠・京都府立大学)
第14章 炭坑夫の「異人化」と「人間化」──筑豊における炭鉱労働者をめぐる「寛容のナラティヴ」の考察(川松あかり・九州産業大学)
補論2 異人論の過去・現在・未来(小松和彦・国際日本文化研究センター)
あとがき(西尾哲夫・国立民族学博物館)