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病いの会話―ネパールの生物医療の捻じれと身体世界―(2021)

科学研究費助成事業による研究プロジェクト|研究成果公開促進費(学術図書)

中村友香

目的・内容

当補助事業の目的は学術図書の刊行を通じて、学術的、及び社会的な貢献を果たすことである。具体的には以下の3点を目的とする。
第一の刊行目的は、綿密な現地調査に基づいて、医療や福祉に関わる人類学的・社会学的研究における近年の理論的進歩に新たな視点を示すことである。
第二の刊行目的は、南アジアにおける生物医療と地域社会との接合や、生活習慣病の増加という現代的様相に関し、詳細な実証的事例を提示することである。
第三の刊行目的は、保健医療分野や国際開発援助分野の日本人実務者が、慢性疾患の治療やケア、患者理解に関するよりよい実践を実現する上での知的基盤の構築に貢献することである。
本書はネパールの2型糖尿病患者の事例を通じて、病いへの対峙に関する学術書として、リスクと責任に関するオルタナティブな捉え方を検討するための土台を、実証的な観点から提供することを目指す。