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rGyalrong — A Comprehensive Grammar –(2021)

科学研究費助成事業による研究プロジェクト|研究成果公開促進費(学術図書)

長野泰彦

目的・内容

ギャロン(rGyalrong)語は、チベット・ビルマ諸語の複数の下位言語グループに亘る文法的特徴を兼ね備えた言語(以下、繋聯言語)で、チベット・ビルマ諸語の歴史を探究する上で不可欠の研究対象である。小著は、ギャロン語ボラ(Bola)方言の形態統辞論を詳細に記述し、この言語の全体像を描出することを目的とする。
序論では地域の概況と地理を述べた後、音論で音節構造、子音、母音を簡潔に説明した上、形態統辞論を詳説する。この記述は本書の中枢をなす部分で、中でも動詞句はチベット・ビルマ祖語を再構成するための必須の資料である。
附論として1200の基礎語彙、文法構造を把握するのに有益な「200例文」と、日常的・慣用的表現を集めた「日常表現260」を採録し、CD-ROMにその音声を収録した。また、詳細な嘉戎語形態索引を附した。
本業績を広く世界に発信するため、上梓の意義を高めるため、英語で出版することとする。