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古代エジプト神官文字写本の地域差を含めた言語記述とⅢF検索プラットフォームの構築(2021転入-2023)

科学研究費助成事業による研究プロジェクト|基盤研究(C)

永井正勝

★2023年7月1日転入

目的・内容

本研究の目的は、第一に、古代エジプト語の神官文字写本を対象とした言語記述の実践を行うことにある。対象資料は第19-20王朝時代の書簡とする。具体的にはエジプト北部の新都ペルラメセスで執筆された書簡9通とエジプト南部の古都テーベで執筆された書簡7通を対象とし、文字、形態素・語、構文について地域差含めた言語記述を行う。第二に、①言語記述の結果、②神官文字のIIIF画像、③開発済みの神官文字字形データベース、の3点をシームレスに統合させた検索システムを開発する。

活動内容

2023年度実施計画

2022年度事業継続中

2022年度活動報告(研究実績の概要)

本研究の目的は、第一に、古代エジプト語の神官文字写本を対象とした言語記述の実践を行うことにある。対象資料は第19-20王朝時代の書簡とする。具体的にはエジプト北部の新都ペルラメセスで執筆された書簡9通とエジプト南部の古都テーベで執筆された書簡7通を対象とし、文字、形態素・語、構文について地域差含めた言語記述を行う。第二に、①言語記述の結果、②神官文字のIIIF画像、③開発済みの神官文字字形データベース、の3点をシームレスに統合させた検索システムを開発する。
言語記述班では、昨年度に実施したエジプト北部地方の書簡記述に加え、今年度はエジプト南部地方の書簡7通( Leiden I 369~1971, トTurin 1975, BM10375, BM 10284, BM 10100)のそれぞれについて、文法記述を実施した。書簡ごとの要素の異同については、現在、検討中である。
システム構築班において、昨年度作成した全文検索機能に加えて、今年度は記述言語学に基づく文字、語・形態素、構文といった様々な観点からの検索を実現するための機能開発を行った。具体的には、ファセットによる絞り込み機能や、各観点に基づくフィルタ機能の実装を行った。このシステム開発をオープンソースのソフトウェア上で行うことで、成果物のコミュニティへの還元もあわせて実施した。
今後は、言語記述の成果を原資料のIIIF画像に連携させるプラットフォームを構築させるともに、申請代表者と分担者らが開発した「『ヒエラティック古書体学』データベース」をプラットフォームにリンクさせる作業を実施する予定である。

2022年度活動報告(現在までの進捗状況)

今年度、言語記述班は南部地方の書簡7通のそれぞれについて、まずは文法記述を実施した。これについては予定通りであるが、7通の書簡の異同分析には至らなかった。また、システム構築班は、ファセットによる絞り込み機能や、各観点に基づくフィルタ機能の実装を行うなど、着実に作業を進めている。