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『千夜一夜』をめぐる写本・刊本の編纂過程と書物文化の諸相(2018-2024)

科学研究費助成事業による研究プロジェクト|基盤研究(C)

中道静香

目的・内容

本研究は、『千夜一夜/アラビアンナイト』の名で知られる物語集について、アラビア語の手写本および刊本の文献学的調査を行い、また編纂と流通に関する歴史的事実をたどることによって、この書物に対する東西の関わりを考察する書物文化論的試みである。世界には、製作地・製作年代・分量・内容の異なる多数の『千夜一夜』写本・刊本が存在するが、本研究では、代表的なアラビア語刊本と関連の深い「エジプト系写本群」(18世紀後半に成立)に焦点を当てる。具体的には、写本の校合や歴史資料の分析を通じて、(1) 写本の編纂・複製の過程と系統、(2) エジプトにおける写本製作の状況、(3) ヨーロッパ人による写本入手と各図書館に所蔵されるまでの経緯、(4) 写本が刊本として編纂・印刷される過程、等を明らかにし、本来口承で伝えられた物語を様々な形態の書物として生産・消費した、アラブ人とヨーロッパ人双方の営為を探る。

活動内容

KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
「『千夜一夜』をめぐる写本・刊本の編纂過程と書物文化の諸相」(課題番号18K00518)
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-18K00518