観光はいかに「善きもの」となりうるか?――幸福と創造の共同性に向けて
研究期間:2025.10-2028.3
代表者 東賢太朗
キーワード
観光、善きもの、共同性
目的
本共同研究では、観光が社会的に「善きもの」(the good)となりうる可能性を探索する。20世紀以降あまりに急速に成長する観光産業は、経済的な利潤をもたらす反面、数々の負の作用をもたらしてきた。近年、観光についてはオーバーツーリズム、環境汚染、社会的分断といったネガティブな側面が強調される傾向がある。コロナ禍における観光活動の制限や中止も記憶に新しい。
しかし観光とは本来、私たちに自由な時間の充実や新たな出会いと学びによる幸せと喜びをもたらすものではなかっただろうか。近年、観光がもたらすプラスの要素であるウェルビーイングやウェルネスを目的としたツーリズムへの注目が集まっている(Grimwood et al. 2018)。またホストとゲストが混じり合い協働しともに創造するコンヴィヴィアル・ツーリズムも提唱されている(Lehto et al. 2020)。ポスト・コロナの再開後、観光の今後の在り方も模索されねばならない。
本研究では、観光の負の側面を十分に踏まえた上で、現在の観光にみられる「善きもの」としての可能性を探り、社会に資する観光の未来を展望する。それは、観光を通じて幸福や創造の共同性へと導かれる、より善い社会を構想する方策ともなりうる。
2025年度
初年度は、メンバー間で研究会全体の方向性を確認する。とくに観光のネガティブな側面と「善きもの」としての可能性について議論を深める。また学会での分科会、出版、シンポジウム等の実現可能性についても話し合う。
【館内研究員】 | 奈良雅史 |
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【館外研究員】 | 天田顕徳、オンイーシュエン、紺屋あかり、高橋沙奈美、藤野陽平、師田史子 |
研究会
- 2025年10月7日(火)19:00~21:00(ウェブ開催)
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東賢太朗(名古屋大学)・「共同研究の趣旨とサブテーマ、メンバー構成に関する説明」
出席メンバー全員・「自己紹介とこれまでの研究紹介、共同研究内での研究構想」(欠席の紺屋氏は事前に動画を提出済み)
出席メンバー全員質疑応答