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観光人類学3.0――身体の経験と循環の観点から

研究期間:2025.10-2028.3

代表者 小野真由美

キーワード

観光人類学、身体、循環

目的

近年、観光研究の新たな展開(観光学3.0)に関する議論が盛んとなり、「観光人類学3.0」の必要性が指摘されている(市野澤2022)。本研究は、従来の観光人類学による「観光とは何か」の探究から「観光を通して人間が在ること」の問いへとパラダイムを転換し、身体の経験と循環の観点から観光人類学の新たな理論的展開を検討することを目的とする。
観光が日常生活の一部となりつつある今日、観光は人間が「生きること」と地続きの営みであるといえる。QOLの向上やSDGsという倫理的指針は、心身の良好な状態と幸福感を求める傾向を観光現象においても加速させ、身体と自然を分かち難いものとして経験することにより一層高い価値がおかれる状況にある。しかし、身体は観光人類学において十分に検討されているとは言い難い。
本研究は、「再創造/レクリエーション観光」に焦点をあて、人間―自然―文化が身体を介してつながり循環することによって得られる感覚や感情を含む経験の総体を民族誌的に把握する。さらに、観光現場におけるサブスタンスや物質の循環が、人々の再訪としての循環を促すさまを解明する。

2025年度

2025年度は研究会を3回開催する。第1回は代表者が趣旨説明、構成員全員が研究計画発表を行う。第2・3回(2日間)は、構成員5名が研究発表、特別講師1名が講演を行う。

【館内研究員】 河西瑛里子、松尾瑞穂
【館外研究員】 市野澤潤平、岩原紘伊、門田岳久、小木曽航平、田中孝枝、福井栄二郎、古川不可知