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脱復興の災害人類学

研究期間:2025.10-2028.3

代表者 木村周平

キーワード

災害人類学、危機、脱復興

目的

現在、災害、暴力、環境破壊など、様々な危機が相互に影響し合い、積み重なり、人々の生に影響を与えている。本研究は既存の災害人類学を拡張し、多重化し持続化する危機を捉える新たな災害人類学の構築を目的とする。そこでは、現在の危機が「発生から復興、そして防災へ」という単線的ないし循環的な図式が現実として機能しなくなっている事態を重視し、新たな方向性を「脱復興」と名付ける。これは、単線的な時間軸で復興フェーズに力点を置く従来のあり方を見直し、復興の実現が困難な状況のなかで、どう危機とともに生きるのかを探究するためである。これに向けて本研究では、①多重化する危機を理解し介入するためにどのような記述が有効か、②危機をめぐる多様な時間性(未来の危機への備えが現在の生に物理的に介入するような)とそれに関わるポリティクスをどう捉えられるか、③持続化する危機に巻き込まれた人々を孤立させない方途とは、を明らかにする。

2025年度

初年度(2025年度)には2回の研究会を行う。初回に研究代表者から共同研究の問題関心や方向性について説明したうえで、各メンバーから、これまでの研究、研究関心と、本研究会で考えたい内容について報告してもらい、どのメンバーが目的の①~③のどこに力を入れるかを確認・調整し、今後の議論に向けての土台づくりとする。

【館内研究員】 飯田卓、松尾瑞穂
【館外研究員】 石山徳子、菊池真理、芝宮尚樹、高橋五月、中村友香、比嘉理麻、福永真弓、松田法子、MOHACSI GERGELY