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もめごとの対処と共生の人間学

研究期間:2025.10-2028.3

代表者 藤井真一

キーワード

もめごと、紛争処理、共生

目的

本研究の目的は、広義の「もめごと(conflict)」に着眼し、その対処の仕方や工夫のあり方を明らかにしつつ、領域横断的に考究する「共生の人間学」の筋道を立てることである。
人間が集まって暮らす場においては、経済的な利害関心や宗教的な教義、政治的な思想・信条の相違などに端を発する対立や衝突がしばしばみられる。また、同時にそこでは、互いの利害や信念の相違を調整・妥協しながら共生を実現する多様なやり方もみられる。本共同研究では、さまざまなフィールドにおける事例を突き合わせながら、個人間や集団間で生じる対立感情や摩擦・軋轢が衝突へと発展することを防ぐ工夫や、潜在的な対立が物理的・身体的・言語的な暴力や攻撃行動として表出してしまった後の対処の仕方について考える。右派勢力の台頭や地域紛争の継続をはじめとして社会的な分断が目に付く昨今の世界情勢において、フィールドワークに根差した顔の見える関係における「もめごと」の処理について領域横断的に知見を集積することで、社会的動物としての人間の共生のありようを探究する。

2025年度

研究会を2回開催する。第1回研究会は、研究代表者が共同研究の趣旨と基本方針を説明し、メンバー各自が研究の方向性と今後の研究計画を報告する。第2回研究会は、法人類学と平和紛争研究を含めた「もめごとへの対処」に関する社会文化人類学研究のレビューおよび事例研究に基づく発表を行ない、メンバー間で問題意識の共有を図る。

【館内研究員】 松井梓
【館外研究員】 荒木彩陽、池北眞帆、井上瞳、韓智仁、小宮理奈、近藤有希子、清水大地、種村光太郎、田村優、馬場淳、範麗娟、箕曲在弘