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写本のモビリティと物質性――中西コレクション収蔵写本の学際的研究とデジタル・アーカイブ構築に向けて

研究期間:2025.10-2028.3

代表者 浜田華練

キーワード

デジタル・ヒューマニティーズ、写本学、文化財保存

目的

国立民族学博物館所蔵の「中西コレクション」は、世界各地の文字が記された印刷物、手稿、工芸品等を集めたコレクションで、含まれる文字の種類は95種にのぼる。本研究は、このコレクション内で手稿として分類される資料に着目し、それらの学術的価値を精査するとともに、国内外の研究者が利用可能な研究資源として整理・公開することを目指す。
先行する研究により、中西コレクション内の写本群からは、きわめて高い学術的・芸術的価値を有するものが数点発見されている。本研究は、中西コレクション写本(アラビア語、ペルシャ語、ヘブライ語、ラテン語、ギリシャ語、アルメニア語、シリア語、コプト語、ゲエズ語等)について、文献学・言語学・歴史学・宗教学など、様々な分野の専門家によって、多角的な観点からその学術的価値を明らかにするとともに、中西コレクション写本を継承・活用するためのデジタル・アーカイブの構築を目指す。そして、その学術的活用の一例として、写本の「モビリティ」と「物質性」に着目した学際研究を行う。

2025年度

①(10月上旬)キックオフミーティング(オンライン会議)。スケジュールと作業目標の決定。
②(12月)国立民族学博物館において2日間にわたり第一回研究会を実施。1日目は、中西コレクション写本の実物を確認する。2日目は、1日目の成果に基づいて今後の研究方針についてディスカッションを行うとともに、作業目標の設定・分担の決定を行う。
③(1月~3月)②の結果に基づき、各自が担当する写本の基本情報(大きさ、ページ数、製作年代、内容など)を整理。

【館内研究員】 黒田賢治、末森薫、吉岡乾
【館外研究員】 石田友梨、小川潤、澤裕章、砂田恭佑、宮川創、李美奈