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令和7年度文化資源プロジェクト一覧

調査・収集分野

該当なし

資料管理分野

採択なし

展示

▶ みんぱく創設50周年記念特別展「民具のミカタ博覧会――見つけて、みつめて、知恵の素」:日髙真吾

民具は、日常生活で必要なものとしてつくられ、使われてきた暮らしの造形であり、身近な素材を活かす知識や技、人びとが育んできた自然観や世界観にふれることができる。また、民具は、研究者が旅をし、さまざまな地域の生活文化と出会いながら収集され、博物館のコレクションへと発展する。
本特別展では、1970年大阪万国博覧会のために世界各国で収集された世界の民具と、その同時代に日本文化の多様性に目を向けて、全国規模で収集された武蔵野美術大学 美術館・図書館所蔵の日本の民具から、選りすぐりの民具を紹介した。また、数多くの切り口から、世界と日本の民具の魅力を「見つけて」、ひとつひとつ「みつめて」、そこに宿る「知恵の素」を探っていく展示構成とした。

▶ 特別展「舟と人類―アジア・オセアニアの海の暮らし」:小野林太郎

今年度は2025年9月4日(木)~2025年12月9日(火)にかけて計画通り、特別展を開催した。またその前後には演示の実施もほぼ計画通りに行えた。特別展では、東南アジアやオセアニアの南太平洋圏や北太平洋圏における舟とその多様性を、海を越えて拡散した人類の歴史や海との暮らしという視点から紹介することができた。また国内外における様々な博物館や学会との連携強化もでき、多様なワークショップや映像も踏まえつつ、海域アジアの一部でもある日本の海文化との共通性やその特徴についても浮き彫りにした。

▶ 特別展「シルクロードの商人(あきんど)語り-サマルカンドの遺跡と遙かなるユーラシア交流-」(仮称):寺村裕史

特別展「シルクロードの商人(あきんど)語り-サマルカンドの遺跡とユーラシア交流-」に向けての準備として、文化資源共同研究員(館内・館外)による特別展実行委員会を6月に開催した。また5月、6月、7月には、収蔵庫において展示資料候補の熟覧調査もおこなった。
その後は、展示設計図面の作成、展示図録の原稿執筆、図録用資料写真撮影、借用資料写真撮影および借用資料の輸送段取りなど、展示に向けての準備作業を着実に進めている。また、海外資料借用に必要な輸送費捻出のため、クラウドファンディングを実施し、総額 10,215,000円、624名の方からご支援をいただくことができた。

▶ みんぱく創設50周年記念企画展「点と線の美学アラビア書道の軌跡」:相島葉月

アラビア書道はアラビア文字を美しく書く手法を追求する芸術であり、その歴史は10世紀のバグダードに遡ると言われている。本企画展では20世紀以降の展開に焦点をあて、中東・イスラーム世界に限らず、欧米や日本においても、千年の伝統と向き合い作品制作に真摯に取り組んでいる人々がいることを紹介するとともに、コミュニケーションのデジタル化が進む中、手で文字を美しく書くことの社会的役割の変容をグローバルな経験として提示した。

▶ 黒潮アートプロジェクト―企画展「台湾原住民族アートの今」(仮題):野林厚志

国際連展示・本館企画展「フォルモサ∞アート——台湾の原住民藝術の現在(いま)」を2025年9月18日(木)~12月16日(火)の会期で開催した。関連イベントとして、シンポジウム「ファンタジーから未来へ――台湾原住民族アートの新たな地平(從幻想邁向未來──臺灣原住民族藝術的新地平)」 (2025年9月18日(木))、みんぱくゼミナール「台湾原住民族アート史」(2025年10月18日(土))、みんぱくウィークエンド・サロン──研究者と話そう「FF(フォルモサ・ファンタジー)2025 ── 台湾原住民族の世界観」(2025年10月19日(日))を開催した。

▶ 企画展「ドルポ――西北ネパールのチベット文化圏(仮題)」の開催: 南真木人

令和8年3月12日から6月16日まで、企画展「ドルポ――西ネパール高地のチベット世界」を開催中である。本展では、写真家・稲葉香氏撮影の写真により現在のドルポを紹介するとともに、ドルポにおいて西北ネパール学術探検隊が1958年に収集した資料(本館所蔵)、1968年に西部ネパール民族文化調査隊が収集した民具資料(武蔵野美術大学所蔵)などからドルポの約70年前の生業を描き、その変容を探るものである。

▶ 2022年秋の特別展示『Homō loquēns「しゃべるヒト」ことばの不思議を科学する』の部分巡回展(京都府立医科大学医学科との共同企画)の開催

回展(京都府立医科大学医学科との共同企画)の開催:菊澤 律子
リハビリテーション医学者との共同企画として展示およぴ関連シンポジウムを行った。幅17メートルにわたるパネル展示「言葉の旅と旅する3日間」では、「コミュニケーション・チェイン」と、「私の言語ヒストリー」を組み合わせ、身体と言語産出の関わり、その影響下における個々人の社会生活をわかりやすくまとめた。関連シンポジウムと合わせて、学会期間の3日間を通して観覧者が絶えず、参加者には、言語に対する新しい見方を提供し、普段は臨床場面で接する患者の社会生活について深く考えてもらうきっかけとなった。
【参考】
学会サイト https://www.congre.co.jp/62jarm2025/special/index.html
企画サイト https://www.congre.co.jp/62jarm2025/special/files/special_1.pdf
人間文化研究機構「コミュニケーション共生科学の創成」プロジェクトウェブサイト報告 https://scom.minpaku.ac.jp/blog/62jarm/

▶ 青森県弘前市との協同による弘前ねぷたの保存伝承プロジェクト:卯田宗平

本プロジェクトでは、1998年の補修から四半世紀を経た弘前ねぷたを対象に、弘前市と絵師・三浦吞龍氏、国立民族学博物館が協力・分担してねぷた絵を製作して貼り替え、その一連の工程を弘前市と民博において詳細に記録したうえで一般に公開した。本プロジェクトを通して、本館が所蔵する弘前ねぷたを後世に伝承し、さらに弘前ねぷたが有する歴史や現在の姿を標本資料として適切に維持することができた。

▶ 「中国地域の文化」展示の更新:奈良雅史

中国地域における民族をめぐる状況とその位置づけは、中国の著しい経済発展やそれに伴う東アジアにおける国際情勢の複雑化によって大きく変化しつつある。本プロジェクトでは、最新の研究成果を踏まえ、文化地理的概念としての中国地域という観点から、中国地域における民族をめぐる状況を包括的に捉え、表象することを目的として、パネルを中心に「中国地域の文化」展示の部分的な更新を実施した。

▶ 特別展「サルンクㇽ――沙流川流域のアイヌのくらし」(仮題)のための準備:齋藤玲子

展示候補資料の調査をおこない、展示構成案を検討する会議を開催した。テーマは仮題であるが、序章、Ⅰ章 近世以前:神話、考古学・文献史学の成果、Ⅱ章 19世紀後半:帝国日本による北海道統治のもとで、Ⅲ章 20世紀前半:押し寄せる移民の中を生きる、Ⅳ章 20世紀後半:「おのおのが信じた路」を歩む、終章に加え、トピックとして、みんぱくと沙流川のアイヌ文化のつながり、および、アイヌ民族綜合調査と沙流川について取り上げることとし、展示の基本計画を作成している。

▶ 企画展「トレス海峡と大島襄二調査隊の50年」(仮題)の準備:丹羽典生

国立民族学博物館、オーストラリア国立大学、トレス海峡諸島民の展示に関係するメンバーが打ち合わせを行い、展示の構成と展示品リストについて概略を決めた。また展示品については、和歌山県庁、串本町教育委員会と話し合いを行い、展示に際して借用する展示品の候補を詰めた。

▶ 国際連携展示「驚異と怪異――想像界の生きものたち」(中国巡回予備調査):山中由里子

人類は、常識や慣習から逸脱した「異」なるものをどのように認識し、説明し、描いてきたのか。本展は人魚や龍、河童など、想像界の生きものの多様性について、様々な民族資料を通して紹介し、人間の想像と創造の力の源泉を探る。 
本プロジェクトは、令和元年に国立民族学博物館で開催された特別展「驚異と怪異」の枠組みを中国の地方博物館数館において展開するための準備である。展示構成やコンセプトは民博で開催した特別展の枠組みを踏襲し、当館の民族資料に中国側の資料も追加し、人間の想像力の面白さに迫る。

▶ 特別展「触覚を取り戻せ!-深化し続けるユニバーサル・ミュージアム」の準備:広瀬浩二郎

2027年春の特別展実施に向けて、各出展協力者と打ち合わせを進めた。特別展の趣旨・規模などを伝え、具体的にどのような作品・資料を出展してもらうのか、個別に意見交換した。民博所蔵資料の出展についても、前回(21年)の特別展のために作成したリストを確認し、26年1月に収蔵庫にて熟覧できる環境を整えた。全体として、展示の準備状況は順調で、26年1月以降は展示デザイナー、図録の編集者、広報物のデザイナーとも適宜調整を行う予定である。

博物館社会連携分野

▶ 貸出用学習キットみんぱっく「極北を生きる カナダ・イヌイットのアノラックとダッフルコート」の引き継ぎ:野口泰弥

運用停止中であった貸出用学習キットみんぱっく「極北を生きる カナダ・イヌイットのアノラックとダッフルコート」について、制作者である岸上伸啓名誉教授から引継ぎ、運用を再開した。運用再開に際し、印刷媒体の資料の情報更新および書籍、同梱資料の追加、スーツケースの買い替えを行った。追加の資料や書籍は①これまで以上に体験性を向上させること、②北極地域の現代の課題、最新の学術的知見を提供することを重視し、アラスカ先住民のヨーヨーとその遊び方の動画、近年の出版物を追加した。

▶ 貸出用学習キットみんぱっく「ジャワ島の装い」の運用継続:福岡正太

貸出用学習キットみんぱっく「ジャワ島の装い」パックの運用を継続する。平成14年度より「ジャワ文化をまとう」として運用を開始した本パックは、平成25年~26年に改訂をおこない、平成27年に改訂版「ジャワ島の装い――宗教と伝統」の運用を開始して現在に至る。令和7年度は再度10年目の改訂を行う年にあたるが、内容物の改訂や補修・買い替えの必要はなく安定的に運用していること、また、本パックを担当する福岡が令和9年度末に退職の予定であることから、令和9年度まで現在のまま本パックの運用を継続する。

▶ 貸出用学習キットみんぱっく「あるく、ウメサオタダオ展」の運用継続:上羽陽子

貸出用学習キットみんぱっく「あるく、ウメサオタダオ展」パックの運用を継続する。本パックは、平成27年より運用を開始した。運用開始から10年目にあたる令和7年度は、改訂を行う年にあたるが、内容物の改訂や補修・買い替えの必要はなく安定的に運用しているため、このまま運用を継続する。