文化を保存する意義を考える

私の研究

豊かな地域社会を創発するうえで、地域で育まれた文化は重要な役割を果たします。そこで、私は文化財、なかでも民俗文化財の保存修復技術の開発や、保存環境の整備について研究をおこなっています。また、地域住民が主体となって、地域の文化を学び、保存し、活用しながら後世に継承していくための社会システムの在り方について研究をおこなっています。いずれの研究も博物館が拠点となって実践できる方法を考えています。そういう意味では、国立民族学博物館は私にとって重要な研究フィールドとなっています。

一緒に研究している人：國立臺北藝術大學　准教授　黄貞燕

私の研究は、博物館や文化遺産、地域社会の関係、特に市民社会づくりや市民参加などの現代の問題にどのように対応するかに焦点を当てています。
2016年から日髙教授の地域文化の発見・保存・活用に関する一連の研究プロジェクトに参加し、4年間のフォーラムを通じて、台湾と日本の間でこのテーマに関する経験や考え方を交流して議論してきました。この一連の活動は、この問題に関する台湾と日本の間の最大かつ最も深い議論の交換であるだけでなく、今日の社会の展開における地域の文化と市民参加の重要性、そして、その方法を改めて認識しています。とても有意義な共同研究だと思います。（日本語訳）

My research focuses on the relationship between museums, cultural heritage and local society, especially how to respond to contemporary issues such as civil society and citizen participation.
Since 2016, I joined Professor Hidaka’s series of research projects on the discovery, preservation and utilization of local cultures. Through a four-year dialogue forum, exchanged experiences and ideas on this topic between Taiwan and Japan. This series of activities is not only the largest and most in-depth exchange of discussions between Taiwan and Japan on this issue. In addition to both sides’ awareness of the importance of local culture and citizen participation in today’s social process.
HUANG, Jan-Yen (Associate Professor, Taipei National University of the Arts)