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宗教的少数派の生きる道とは

復興された教会で祝う洗礼式。 2010年9月

研究者 菅瀬晶子 SUGASE Akiko
研究分野 文化人類学、中東地域研究
研究地域
(調査地)
パレスチナ・イスラエルを中心とした東地中海地域アラビア語圏

私の研究

イスラームが圧倒的多数を占める中東ですが、地域によってはキリスト教徒をはじめとした、宗教的少数派が数多く存在し、ムスリムと共存しています。彼らがどのように生き延び、多数派であるムスリムやユダヤ人と折り合いをつけてきたのか。私はパレスチナ・イスラエルのキリスト教徒、ことにガリラヤ地方のメルキト派カトリック信徒とギリシア正教徒に注目して、聖者崇敬やナショナリズム、食文化における彼らの特徴や、多数派に与える影響について調査してきました。うんざりしたり愛着を取り戻したりを繰り返しながら、まだしばらく道は続きそうです。

かつてはユダヤ人らと共有した預言者の祭

アラブ人に影響を受けたユダヤ人の願掛け

オリーブの収穫祭を兼ねた聖人の殉教祭

一緒に研究している人:アル・リカーァ・センター元局長 ジュリエス・フーリー博士

アキコは博士課程の大学院生であった12年前(当時)、わたしの故郷であるファッスータ村にやってきて、3ヶ月をそこで過ごしました。ファッスータはガリラヤ地方のアラブ人キリスト教徒村であり、パレスチナ・アラブのなかで重要な役割を果たした有用な人材を多く輩出してきたところです。彼女は滞在中、アラブ人キリスト教徒の生活とわたしたちのコミュニティについて学び、その後ハイファやベツレヘムなど、パレスチナ・イスラエル双方で調査を続けています。彼女の研究活動、とりわけアラブ人キリスト教徒についての著作三冊を出版し、日本のみなさまにさまざまな角度から、わたしたちの生活を紹介しているのは、たいへん価値あることです。(日本語訳)

When Akiko was a Ph.D. candidate twelve years ago, she came to my village Fassouta and spent 3 months there. Fassouta is an Arab Christian village in Galilee that provides many excellent human resources to understand the important roles among the Palestinian Arabs. She learned the life of the Arab Christians and our community during her stay, and now continues her research in Haifa, Bethlehem and other areas of Palestine. Her work has been of great importance, especially the three books she has published in Japanese on the history of Arab Christians. Through them she has introduced many aspects of our life to the Japanese.
Dr. Geries Khoury, former Director of Al-Liqa Center