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家族がつくる社会、社会がつくる家族

夕方、くつろぎの時を共に過ごす親族 2008年

研究者 信田敏宏 NOBUTA Toshihiro
研究分野 社会人類学、東南アジア研究
研究地域
(調査地)
マレーシア

私の研究

人類はその長い歴史の中で、常に家族や親族を基盤とした社会を形成してきました。家族は、人類が社会を形成していく上でどのような役割を担っているのか? 社会の制度は、家族の関係性や人びとのメンタリティにどのような影響をもたらしているのか? こうした問いを元に、マレーシアの先住民オラン・アスリを対象にして、家族や親族の関係性に再び注目しています。調査村は母系社会で、家族の居住形態や親族関係などが、日本とは違っていて興味深いです。今後は、「人類史における家族と親族」といった広い視座で研究したいと考えています。

先住民支援NGOとの共同調査
2004年 コリン・ニコラス 撮影

村びと総出の手作り結婚式
2017年

村のリーダーの就任式
1997年

現地社会からのメッセージ:アルシャド・エカル

僕はアルシャド・エカルです。一歳年上のランタウ(信田の村での呼び名)が僕の村で滞在していた時に、村の言葉や料理を教えたり、吹矢の作り方やゴム採取の仕方を教えたり、彼をバイクの後ろに乗せて森に入ってドリアンやプタイ豆をとったり、蜂蜜取りや魚釣りに連れて行ったりしていました。約2年間の滞在を終えて、ランタウが日本に帰ってしまってからも、SNSを通じてお互いに連絡を取り合っています。ランタウが村に帰ってくると、僕の家に泊まってもらいます。村で養子になったランタウと僕は「いとこ同士」であり、親友です。(日本語訳)

I’m Arshad Ekal. When Rantau (Nobuta’s name in the village), one year older than me, was staying in my village for about two years, I taught him the language and cooking of the village, how to make blowpipes and how to collect rubber. I used to put him behind my motorbike into the jungle to pick up durians and petai beans, and take him for honey-collecting and fishing. Even after Rantau returned to Japan, we still keep in touch with each other through SNS. When Rantau returns to the village, he stays at my house. Rantau, who was adopted by the village, and I are “cousins” and best friends.