本当の強さとは？

私の研究

教養や美的感覚、身体性を鍵概念として、エジプトの首都カイロの空手教室を中心に民族誌的調査を行っています。カラテは子供のお稽古事として人気が高く、競技人口の大多数は12歳以下の子供です。エジプトでは「カラテ＝中流層のスポーツ」というイメージが広く流布している一方で、幅広い社会階層の若者がカラテ教室に通っています。東京五輪では組手5階級にエジプト代表選手が出場し、メダルを２つ獲得しました。エジプトの空手人気はしばらく続きそうです。今日も世界での活躍を目指して、多くの若者が練習に取り組んでいます。

一緒に研究している人：マリアム・サーミ―

私は葉月と2005年にオクスフォードで出会い、その後もカイロで会っている。私は彼女が街を自由に歩いたり、色々な人々と交流したりする様子に感動した。2015年に葉月は、女性向けの空手クラスのあるスポーツクラブを紹介してくれた。ささやかな発表会に一緒に参加したとき、先生や生徒を含む全ての人が、葉月を友達として認識していた。
2017年に葉月に『ヤギのアリーとイブラヒム』という、エジプト社会の一面を全く違った手法で描いた映画を紹介した。しばらくして、本作品は民博で上映され、監督は観客の質問を受けるために来日した。これは葉月の努力と実行力の甲斐あって実現した。私は、社会と文明の関係性を強める、葉月のような真の日本人の友を誇りに思う。（日本語訳）

I met Hatsuki in 2005 in Oxford and we continue to meet in Cairo. I was impressed by the ease with which she moved in the city and with people from all walks of life. In 2015, she introduced me to a sports club where she and other women took karate lessons. When we went for a small ceremony, everyone including the trainers treated her as a friend.
In 2017, I told Hatsuki about an Egyptian film, Ali the Goat and Ibrahim and how it depicted a certain sector of Egypt’s society in an entirely novel way. Soon enough, the film was shown at her museum and the director was there to answer the audience’s questions. It was all thanks to Hatsuki’s efforts and organization. I am proud to have such a genuine Japanese friend like Hatsuki whose work strengthen relations between societies and civilizations.
Mariam Sami