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台湾を考える5つの視点

タイヤル族の映像作家で教育者のYapu Pilin氏(右)とのもちつき。
竪杵(たてぎね)の分布は文化圏を理解する鍵となる
2019年12月 Baunay Watan 撮影

研究者 野林厚志 NOBAYASHI Atsushi
研究分野 人類学、フォルモサ研究、食文化研究
研究地域
(調査地)
台湾

私の研究

私の専門は人類学で主な調査地は台湾です。もちろん台湾の文化、社会、歴史に関心がありますが、人類学で大切なのは台湾をどのような視点で理解するかだと考えています。私が台湾を考える視点は、1)人類史、2)オーストロネシア基層文化、3)「四大族群」(福建系漢族、広東系漢族、原住民族(オーストロネシア系先住民族)、「外省人」)をはじめとする多様なエスニシティ、4)漢族文化と植民地の影響、5)グローバル世界の中での伝統の継承と新しい文化や社会の創造、です。豊かな自然と人情あふれる台湾をいましばらく探究していきます。

祖先の技術や思いを探る原住民族の民博資料調査
2018年7月

ビーズ文化 パイワン族の呂釣氏を継承して想像する
2016年8月

狩猟した獲物の頭骨や下顎を懸架する
2006年11月

一緒に研究している人:スコット・サイモン

私の名前はスコット・サイモンです。私は1996年から台湾で主にセデック族とタロコ族の研究をしています。私が野林先生を最初に知ったのはイノシシに関する本(野林2008)でしたが、2014年に千葉で開催されたIUAES/JASCA会議で会うことができました。彼は2017年から2018年にかけて、客員研究員として私を民博に招いてくれました。その後、台湾や日本を含む周辺の島々で、人と動物の関係や生態人類学について一緒に研究しています。世界はすべての生物の絡み合いでできているので、先住民族の伝統的な知恵や儀式、考古学、物質文化などから一緒に学ぶことがたくさんあります。(日本語訳)

My name is Scott Simon. I have done research in Taiwan since 1996, mostly with Seediq and Truku peoples. I first knew Professor Nobayashi’s book about wild boars (Nobayashi 2008), but we met at the 2014 IUAES/JASCA conference in Chiba. He invited me to Minpaku as a visiting scholar in 2017-2018. We have since worked together on human-animal relations and ecological anthropology in Taiwan and surrounding islands, including Japan. Since the world is made of the entanglements of all living things, we have much to learn together from the traditional wisdom of Indigenous peoples, rituals, archeology, and material culture.