シャーマニズムとヒップホップの文化的連続性とは?
研究者 | 島村一平 SHIMAMURA Ippei |
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研究分野 | 文化人類学、モンゴル研究 |
研究地域 (調査地) |
モンゴル国ドルノド県、ウランバートル市など |
私の研究
モンゴルでシャーマンといえば、動物の毛皮をまとい、太鼓を打ち鳴らしながら、精霊を体に降ろす人々のこと。私はフィールドワークを通じて、そんなシャーマンと現代のヒップホップのラッパーたちの間に文化的連続性があることに気付きました。ひとつは傷ついた人々がそれらになることで自らや他者を癒す役割を担っている点。これを「文化の免疫系」と名付けました。もう一つは、両者ともに韻を踏みながら歌を歌うことで、新しいメッセージを生み出す点。これを「韻の憑依性」と呼んでいます。彼らが文化を創り出す力に注目しています。
一緒に研究している人:モンゴル国立チンギス・ハーン博物館長、歴史学博士・教授・アカデミー正規会員 S.チョローン
2000年代中頃から私は島村一平博士と共同研究を行ってきました。彼はモンゴルで大学院を修了した、外国人では貴重な研究者であると同時に、モンゴル人の社会や文化に対する深い理解がある人物です。私はモンゴル科学アカデミー歴史学研究所の所長として、彼の多くのプロジェクトを支援したり、共同研究をしたりしてきました。例えば、シャーマニズムや仏教実践の研究、鉱山開発による遊牧社会の変容などです。その研究成果は非常に実りのあるものです。現在、私はチンギス・ハーン博物館の館長ですが、今後も島村氏との共同研究をやっていきたいと思います。(日本語訳)
I have been collaborating with Dr Ippei Shimamura since the mid-2000s. He is not only a valuable foreign researcher who completed the post-graduate school (MA) in Mongolia, but also has a deep understanding of Mongolian culture. As the director of the Institute of History of the Mongolian Academy of Sciences, I have supported and collaborated with him on many of his projects: research on shamanism and Buddhist practice, and the transformation of nomadic society due to mining development, and so on. We made fruitful results on these projects. Currently, I am working as the director of the Chinggis Khaan Museum and I hope our academic relationship will continue in the future.
S. Chuluun, Director of Chinggis Khaam Museum, Dr., Prof., Academician