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「文化遺産オンライン」10年ぶりのリニューアル公開

「文化遺産オンライン」が、およそ10年ぶりのリニューアル公開を果たした。文化遺産オンラインは、全国にある美術館や博物館などのミュージアムの収蔵作品のほか、国や地方の指定文化財を閲覧できる文化財のポータルサイトである。今回リニューアルを実施したギャラリーでは、約8万件の文化財が、画像や解説とともに公開されている。また、世界遺産の概要や、無形の文化財に関する記録映像を閲覧できるコーナーもある。

文化庁と国立情報学研究所が共同で運営する文化遺産オンラインの開発と運用に、私は2004年の試験公開当時から携わっている。文化遺産オンラインでは、「時代」「分野」「地域」などの比較的わかりやすい検索の入り口を公開当初より用意するなど、誰もが気軽に文化財にふれられるような工夫がなされてきた。今回のリニューアルでは、この10年の間に急速に普及したスマートフォンによる利用に対応するとともに、タッチ操作でも使いやすい閲覧機能として、新たに「タイムマシンナビ」を開発し公開した。

タイムマシンナビは、検索結果の画像をまとめて閲覧できるデジタルビューアである。文化財の画像をクリックあるいはタップすることで拡大し、詳細ボタンから解説や所在地などを確認することもできる。さらに「時代」と「地域」によるスライダ式の絞り込み機能も備えている。

タイムマシンナビを手軽に試すには、トップページの右側にある黄色いボタンがおすすめである。このリンクからタイムマシンナビを立ち上げると、国宝と重要文化財の一覧が画面いっぱいに表示される。そのまま画面をスクロールして楽しむのもよいが、対象を絞り込むこともできる。画面左下方にあるボタンから操作パネルを開き、たとえば時代のスライダを「縄文」に合わせると、土偶や土器などの縄文時代の考古資料を検索結果から取り出すことができるのである。

従来の一覧機能とあわせてこのタイムマシンナビを使うことで、文化財の情報にふれる機会がさらに増え、ミュージアムへ足を運ぶきっかけにもつながると考えている。引き続き多くの方にさまざまな場面で文化遺産オンラインを活用していただけるよう、及ばずながら今後も尽力して参りたい。

丸川雄三(国立民族学博物館准教授)

関連ウェブサイト

「文化遺産オンライン」
文化庁:「文化遺産オンライン」のリニューアル



関連写真


「文化遺産オンライン」トップページ



タイムマシンナビでは、スライダで「時代」と「地域」を絞り込むことができる
(表示は国宝・重要文化財のうち「日本・縄文」と「北海道・東北」に絞り込んだ例)