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アンデス文明ハンドブック

館外での出版物

2022年3月31日

関雄二(監修) 山本睦・松本雄一(編)

臨川書店

出版物情報

主題・内容

壮大な神殿の出現から、文化遺産をめぐる現在進行形の問題まで、アンデス考古学の最前線を紹介する。アンデス文明の主要なテーマを網羅し、最新成果と研究の醍醐味を平明に解説した、広い読者に向けた書籍である。

おすすめのポイント、読者へのメッセージ

アンデス考古学の到達点を、国際的な成果を発信し続けている日本の研究者が総力を挙げて執筆しています。最新の成果をわかりやすく示す本になっていますので、古代文明に興味のある方はぜひ手に取ってみてください。

目次

はじめに(山本 睦、松本雄一)

序 章 アンデス文明研究とその背景(松本雄一、山本 睦)

第Ⅰ部 神殿と共に生きた人々(紀元前4000年―紀元前後)

序    形成期という時代、神殿更新論という視座(山本 睦、松本雄一)
第1章  巨大建造物はなぜ、どのように生まれたのか 海岸のマウンドと残された謎(荘司一歩)
第2章  神殿を建て続けた人びと(鶴見英成)
第3章  社会の核としての神殿 遠隔地との交流はなぜ生じ、何を社会にもたらしたのか(井口欣也)
第4章  人を結びつけ、切り離す神殿(関 雄二)
第5章  神殿と人、神殿と動物 神殿における動物利用の実態(鵜澤和宏)
第6章  神殿と饗宴 神殿で共に食べるということ(中川 渚)
第7章  儀礼としてモノをつくる 形成期の神殿における工芸品製作と権力の生成(荒田 恵)
第8章  神殿は何を伝えたのか 神殿の装飾に込められたメッセージ(芝田幸一郎)
第9章  周縁の神殿ではなにがおきていたか 文明の形成を端から眺める(松本雄一、山本 睦)
コラム  生物考古学からみたアンデス最古の儀礼的暴力(長岡朋人)

第Ⅱ部 アンデスにおける国家と帝国 国をつくった社会とつくらなかった社会(紀元前後―16世紀)

序    国家、帝国、狭間の社会(松本雄一、山本 睦)
第10章 ナスカの地上絵をめぐる景観と土器の儀礼的破壊(坂井正人)
第11章 小さな集落からみたワリ帝国の支配(土井正樹)
第12章 「宗教国家」ティワナク その出現から衰退まで(佐藤吉文)
第13章 建国しなかった人々 ペルー北高地のカハマルカ文化(渡部森哉)
第14章 北海岸に花開いた多民族国家 ランバイェケ(松本 剛)
第15章 モニュメントなき都市 チャンカイ文化(浅見恵理)
第16章 インカとは誰か?(渡部森哉)
コラム  アンデス文明における食料資源の獲得戦略(瀧上 舞)

第Ⅲ部 現代社会とアンデス文明

序    考古学は過去だけを対象とするのではない(山本 睦、松本雄一)
第17章 パブリック考古学の実践(サウセド・セガミ・ダニエル・ダンテ)
第18章 ナスカの地上絵の学術調査と保護のあり方(坂井正人)
第19章 遺跡保存における考古学者と地域社会の役割(関 雄二)
コラム  デジタル技術による古代建築研究の新たな展開(宮野元太郎)

おわりに(山本 睦、松本雄一)
参考文献/執筆者紹介/索引