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キツネザル研究から 広がるフィールド研究

ワオキツネザル 2001年9月

研究者 市野進一郎 ICHINO Shinichiro
研究分野 霊長類学、アフリカ地域研究
研究地域
(調査地)
マダガスカル

私の研究

私は、マダガスカル南部でワオキツネザルの社会生態と保全に関する研究に取り組んでいます。アフリカ大陸の南東に位置するマダガスカル島は、固有種の宝庫として知られています。生息する霊長類は約100種。そのすべてがマダガスカル固有種です。霊長類社会の進化を理解するために、マダガスカルでのフィールドワークを続けてきましたが、その中でワオキツネザルが地域の人々によって文化的・生態的に保全されてきたことがわかってきました。キツネザルと地域の人々との関係をさらに深く理解するために研究を続けています。

南部の広い地域でみられる
乾燥有棘(ゆうきょく)林

タマリンドが優占する川辺林

アンジャンプール村の子どもたち
2012年12月

一緒に研究をしている人:フェリックス・ラクトゥンジャパラニ

私は、マダガスカル、アンタナナリヴ大学理学部准教授のフェリックス・ラクトゥンジャパラニです。市野博士といっしょに、何度も島の南部の森林でマキ(マダガスカル語でワオキツネザル)の調査をしてきました。マキは、マダガスカルで最も有名で、最も地上を利用するキツネザル(マダガスカルの霊長類)で、20頭以上の群れで生活しています。市野さんの調査チームは、ワオキツネザルの社会システムを解明するために、個体識別したキツネザルの長期研究をおこなってきました。ワオキツネザルは絶滅の危険性が高い霊長類の1種でもあります。私たちは、科学研究だけではなく、地域の人々の知識を収集し、マダガスカル人学生を教育する協同プロジェクトをすすめています。(日本語訳)

I am Felix Rakotondraparany, an associate professor of the Faculty of Science, University of Antananarivo, Madagascar. I have been working with Dr. Ichino on many occasions on the Maki (the ring-tailed lemur) in a forest of the southern part of the island. The Maki is one of the most famous and the most terrestrial lemur species (primate native to Madagascar), living in a large group with 20 or more individuals. Ichino’s team has been conducting a long-term study with identifying lemur individuals to elucidate the social system of this species. This species is also one of the most endangered primate species. We are developing our collaborative project which contains not only scientific studies but also collecting knowledge of the local people and education of Malagasy students.