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インド洋研究者よ、来たれ!――SNSを用いた情報交換プラットフォームの試み

2022年度から人間文化研究機構グローバル地域研究推進事業の一環として始まった環インド洋地域研究のみんぱく拠点に参加している。そこで私が始めたのが“Indian Ocean Studies Info-hub”である。和訳するならば、「インド洋研究情報ハブ」となろうか。これはフェイスブックのグループ機能を活用し、登録した人たちが自由にインド洋研究に関する情報交換をするためのプラットフォームとして用意したものだ。

これを用意したのは、ひとつにインド洋研究の裾野が広がり、どこで誰が何を行っているのか、とても追いきれなくなっていた事情がある。ただし、すでにこの分野では幾つかのメイリングリストが機能しており、今更、新しいリストを作ってもなあと思っていた。そこで何気なしにフェイスブックを眺めていると、友達に何人もインド洋研究者がいることに改めて気づき、そして、時折、忘備録に彼らの投稿を引用したときは結構、「イイね」がついていたのも思い出した。

昨年から開設し、現在、登録者は251名。国別で一番多いのは61名いるインドからの参加者で、この分野の研究動向を反映しているようにも見える。把握する限りでは45の国や地域からの登録者がいるが、不明な場合もあるので、実際にはもっと多いだろう。

私が見つけた情報をアップロードする場合が多いが、近刊の自著や自分が組織した会議、所属する大学の教員ポストの公募や博士課程学生の募集などの情報を挙げてくれる登録者もいる。速報性を重視したいので、当初はこちらで検閲をしなかったが、いたずら投稿もあるので、最近は情報が公開される前に検閲をしている。とはいえ、速報性重視だ。

インド洋研究情報の網羅はできないが、それでも寄せられてくる情報だけでも、世界の動向が垣間見え、もっと自分の研究をしっかりやらなければと思わされることしきりである。

皆さんもよろしければ、どうぞ!

鈴木英明(国立民族学博物館准教授)

関連ウェブサイト

『インド洋研究情報ハブ』のフェイスブックページ



関連写真


「インド洋研究情報ハブ」のトップペイジ。
インド洋各地の写真をなるべく偏りのないように手持ちのものから選んだ。(2024年)