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心配と係り合いの人類学―この世界を繕い直すためのケアの理論と実践★

館外での出版物

書名 心配と係り合いの人類学―この世界を繕い直すためのケアの理論と実践
著者名 西真如・有井晴香・森明子
出版社 ナカニシヤ出版
発行年月日 2025年7月31日
判型・体裁 A5版
頁数 300頁
ISBN 9784779518805
定価 4,840円(税込)
研究成果 共同研究成果:
心配と係り合いについての人類学的探求(2018.10-2022.3)

主題・内容

この世界を「繕い直す」ための想像力を、私たちはどうすれば持てるだろうか。本書は、ケアすることの価値と条件についての理論的探求と、この世界を「繕い直す」実践についてのエスノグラフィを収めたものである。

おすすめのポイント、読者へのメッセージ

支配と暴力にあらがうケアや、人間以外の諸存在と共にあるケアをめぐって、文化人類学者、哲学者、看護学者、開発経済学者らがともに検討しました。ケアに関心のある研究者、学生の皆さんはもちろん、さまざまな場所でケアを実践している方に手に取って頂ければ幸いです。

目次

序章 心配と係り合いの人類学(西真如・有井晴香・森明子)

第Ⅰ部 ケアを見出す
第1章 縫い繕うケア(中村沙絵)
第2章 義務を見出す――マリア・プイグ・デ・ラ・ベラカーサとフローレンス・ナイチンゲール 二つのケア論の照合(大北全俊)
第3章 環境に媒介されるケア――感染症への対応における複数の統治の重なり合いについて(浜田明範)

第Ⅱ部 別様のつながり
第4章 ベトナムにおける高齢者のニッチ――独居をめぐる離接のプロセス(加藤敦典)
第5章 家族介護を模索する――EU オーストリアの山地農家(森明子)
第6章 津波後のスリランカにおける復興の中のつながりの実践――あるアーユルヴェーダ医師の老いと生(野村亜由美)
コラム 写真と汚れた制服――ケニア・メル社会における母娘物語(馬場淳)

第Ⅲ部 ケアと暴力
第7章 〈禁忌の子〉の排除と包摂――エチオピア西南部における子殺しの慣習に抗するつながり(有井晴香)
第8章 生みの親でない者にケアされる子どもたち――カンボジア シェムリアップ州の農村を事例として(佐藤奈穂)
第9章 切り離すケアの周りで――日本のDV被害者の一時保護現場(桑島薫)
第10章 ケアの空間としてのスラム、そしてそこからの逃走(森口岳)

第Ⅳ部 人間以上の世界の係り合い
第11章 ランドスケープの生成をめぐる外密的な係り合い――徳島県西部における世界農業遺産地域の山村での生を支えるもの(内藤直樹)
第12章 「神様に守ってもらっている」絡まり合いの形成――徳島県賢見神社のお祓いにおける生成、情動の技術と距離(デ・アントーニ アンドレア)
第13章 ウガンダ北部のうなづき症候群――紛争後の環境におけるてんかん性脳症の流行(西真如・坂井紀公子)
第14章 廃墟を耕す――どん底における植物と人間の係り合い(モハーチ ゲルゲイ)
コラム 人間の排泄物を循環させるしくみ(池見真由・西真如)