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考古学の黎明

館外での出版物

書名 考古学の黎明
著者名 小茄子川歩・関雄二編著
出版社 光文社
発行年月日 2025年9月30日
判型・体裁 新書
頁数 448頁
ISBN 9784334107536
定価 1,430円(税込)
研究成果 科学研究費助成事業による研究プロジェクト成果:

主題・内容

狩猟採集生活→農耕革命→生産増→人口増→貧富の差→都市→国家という、我々の多くが信じてきた「進歩史観」は正しいのか? 人類学者デヴィッド・グレーバーと考古学者デヴィッド・ウェングロウの共著『万物の黎明』は、この進歩史観をくつがえし、世界中に衝撃を与えた。本書は『万物の黎明』に大なり小なり衝撃を受けた日本の考古学者が集い、自らの最新研究を基に、人類史のパラダイムシフトを行う試みである。

おすすめのポイント、読者へのメッセージ

グレーバーらの論は視点をひっくりかえすという意味では興味深いが、実際の考古学データとの整合となると、かなり難しい。
各著者が、この点をどう乗り越えようとしているのかを見るのもおもしろい。

目次

はじめに 小茄子川歩
巻頭コラム 考古学者の研究の進め方・作法・思考法 関雄二
年表
序章 もうひとつの〈文明〉論、あるいは〈科学〉としての考古学 小茄子川歩
第1章 インダス〈文明〉論 小茄子川歩
第2章 『万物の黎明』への共鳴と、どこしれずすれ違いを感じる自分――南米アンデス文明を例に 関雄二
第3章 モニュメントの造営と社会――日本列島の古墳時代を考える 辻田淳一郎
第4章 オセアニア研究から見た『万物の黎明』――グレーバーとサーリンズ 石村智
第5章 国土なき国家、王なき帝国――古代イラン、先アケメネス朝期の知られざる社会 有松唯
第6章 まじめな農耕のはじまり 有村誠
第7章 狩猟採集民とモニュメント 瀬川拓郎
第8章 エジプト初期王権の受容・広域化と死者・祖先へのケア 竹野内恵太
第9章 ディルムンとマガン――『万物の黎明』から見たペルシア湾岸の古代文明 安倍雅史
第10章 モノとヒトの絡み合いとしての交易――メラネシアの交易システム「クラ」を中心に 後藤明
第11章 都市と市場および貨幣の問題 北條芳隆
第12章 『万物の黎明』まで――その形成のプロセスを二人のテキストでたどる 酒井隆史
おわりに  小茄子川歩
引用・参考文献