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シルクロード都市における宗教の伝播と受容・変容に関する考古学的研究(2023-2026)

科学研究費助成事業による研究プロジェクト|基盤研究(B)

寺村裕史

目的・内容

研究の概要

中央アジアにおいては、都市遺跡の発掘成果の増加により、都市構造自体に関する研究は進んできているものの、当時の都市に住む人びとが心の拠り所としていた土着的な信仰や、外来宗教の受容・伝播の実態に関しては、十分に議論されてきたとは言い難く、いまだ不明な点が多い。
そこで、シルクロードの成立による東西・南北交流が活発化したなかで、宗教の果たした役割と、宗教の伝播と受容・変容の実態を明らかにすることを目的として、発掘調査の成果を軸とした宗教に関連する物質文化に焦点を当て、都市遺跡間での交流の相互作用・推移を解明し、宗教が中央アジア史において果たした大きな役割について比較考古学的側面から考察する。

研究の目的

本研究は、ユーラシア大陸における東西交流(東洋と西洋)の結節点としての古代シルクロード都市において宗教の果たした役割と、人やモノの移動に伴う宗教の伝播と受容・変容に関して考古学的に明らかにすることを目的とする。具体的には、①「サマルカンド考古学研究所」と協働で実施する古代都市遺跡(カフィル・カラ遺跡)での発掘調査ならびに出土遺物・遺構の分析、②ザラフシャン川中流域に点在する都市遺跡で発見されている宗教関連資料の集成および比較研究、③西はイラン高原から東は中国までの宗教関連遺物や宗教図像に関して、地理情報システム(以下、GIS)を用いた比較・統合・可視化、の3点を研究の柱とする。上記成果を総合しながら、古代都市における宗教の実態ならびに、シルクロードを通じた宗教の伝播と受容・変容の動態について国際的な議論を深め、研究成果を現地研究者と共同で発信する。

活動内容

KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
「シルクロード都市における宗教の伝播と受容・変容に関する考古学的研究」(課題番号23K25400)
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-23H00703