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日韓国交正常化(1965)と日韓美術交流―植民地解放後の変化に着目して(2024ー2026)

科学研究費助成事業による研究プロジェクト|若手研究

松岡とも子

目的・内容

研究の概要

本研究は、ポストコロニアル期における日韓美術交流史の事例研究として、1965年の日韓国交正常化直後に日本で相次いで開催された韓国美術展を対象にその内容を考察する。植民地解放の20年後、韓国で物議をかもす中で日韓の国交が回復した。一方日本においては記念行事として朝鮮の文化財展、現代美術展が次々に開催された。展覧会の企画にあたった日韓の研究者や美術家、そして評論家たちはこの「再会」にどのように向き合ったのか。日・韓・在日コリアンの新旧世代が関わった日韓の美術交流の再開について、その多層的・重層的な実態を考察する。

研究の目的

1965年の日韓国交正常化後に日本で相次いで開催されたのが、韓国の国宝・重要文化財を中心とした文化財展、もしくは当時欧米で活躍し始めていた韓国の画家たちによる現代美術展であった。こうした展覧会の担い手となったのは朝鮮を植民地としていた帝国日本の時代に青年時代までを過ごし、第二次世界大戦以後に改めて向き合うことになった日韓の研究者、美術家、そして美術評論家たちである。
日本の「戦後」における敗戦からの復興と高度経済成長という新たな物語の中で、朝鮮をはじめとした植民地支配の記憶と経験はどのように断絶し、どのような点において連続していたのか。本研究の目的は、1965年の日韓国交正常化以後を中心に、日本で開催された韓国美術展における美術交流の歩みを、当時の資料や当事者の記録、評論等から明らかにし、第二次大戦後の日韓美術の再会がどのようなものであったかを考察することである。

活動内容

KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
「日韓国交正常化(1965)と日韓美術交流―植民地解放後の変化に着目して」(課題番号24K15944)
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-24K15944