民博アーカイブに基づく人類学史研究
研究期間:2024.10-2027.3
代表者 中生勝美
キーワード
人類学史、オーラル・ヒストリー、アーカイブ
目的
人類学史といえば、海外では正規科目として採用され、学会なども組織されて、著名な人類学者の伝記も刊行されている。しかし、海外の人類学史研究は、欧米中心であり、日本の研究は全く触れられていない。国立民族学博物館には、アーカイブが収集され、日本の人類学史を研究するうえで、貴重な情報があつまっている。本共同研究は、そうした資源を活用して、日本の人類学史の研究を、海外の研究動向を吸収しつつ進めることを目的とする。海外の人類学史の研究動向を参照するためにも、国立民族学博物館は、日本で最も人類学の資料を網羅的に収蔵する共同利用機関であり、人類学史を研究するためには、所蔵資料の活用が不可欠である。
2024年度
初年度は、初回顔合わせの時に各自の問題意識と、この研究会での研究テーマに関する概略を全員が発表する。特に科研分担者は、夏休みの調査成果について詳しく報告をする。初年度は2回に分けておこなう。
【館内研究員】 | 伊藤敦規、齋藤玲子 |
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【館外研究員】 | 田中雅一、David Weiss、塚原東吾、上田信、谷口陽子、江川純一 |
研究会
- 2024年11月2日(土)10:00~18:30(国立民族学博物館 大演習室 ウェブ開催併用)
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中生勝美(桜美林大学)「研究会の趣旨説明、人類学史の研究状況説明、研究計画の確認」
齋藤玲子(国立民族学博物館)「アイヌ研究の現状――近年の動向とアーカイブズ資料の可能性」
David Weiss(九州大学)「岡正雄『古日本の文化層』の混成性ー民族学における日独交流の一例」
田中雅一(国際ファッション専門職大学)「SOASのCFHアーカイヴとナガ民族プロジェクトについて」
総合討論
- 2024年11月3日(日)10:00~15:30(国立民族学博物館 大演習室 ウェブ開催併用)
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江川純一(明治学院大学)「エルネスト・デ・マルティーノの南イタリア研究」
谷口陽子(明治学院大学)「ミシガン大学のアーカイブから見た日本研究」
総合討論
- 2025年2月1日(土)10:00~18:20(国立民族学博物館 大演習室)
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中生勝美(桜美林大学)「研究会の進捗状況、人類学史の研究動向、共同研究者の近況」
伊藤敦規(国立民族学博物館)「1950年代のアイヌ民族綜合調査の再検討」
塚原東吾(神戸大学)「人類学と科学史に関するいくつかの話題:ロンダ・シービンガーの最近の議論」(仮)
総合討論
- 2025年2月2日(日)10:00~16:30(国立民族学博物館 大演習室)
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上田信 (立教大学)「梅棹忠夫の『文明の生態史観』再考」(仮)
飯嶋秀治(九州大学)「Strehlow archives:オーストラリアとドイツのアーカイブ視察から」
総合討論