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古代オアハカ太平洋岸における干ばつ期から雨量回復期の民衆の植生利用と土地利用(2025-2026)

科学研究費助成事業による研究プロジェクト|学術変革領域研究(A)(公募研究)

市川彰

★2025年4月1日転入

目的・内容

研究の概要

本研究は、学術変革領域研究(A)『「暴れる気候」と人類の過去・現在・未来』の計画研究 B02「マヤ文明の起源・盛衰と気候変動の考古・歴史学研究」の公募研究として実施する。
学術変革領域研究(A)への貢献:調査の際に過去30年間の降水量、気温、雨季と乾季の長さ、ハリケーンの強度と頻度などを尋ねることにより、農民の視点から「暴れる気候」を捉え、それに対してどのような対処行動をしているかを明らかにすることができる。
研究項目B02への貢献:本研究を通じて、現代マヤ農民の焼畑農民の移住行動を明らかにすることにより、食糧を焼畑に依存していた古代マヤ都市は「定住」集落だったのかという問題を再考する契機となる。

研究の目的

現代のマヤ民族の焼畑農耕はどの程度の持続可能性があるのか。本研究は、メキシコ、ユカタン州東部のマヤ民族が暮らす農村において、この問いを検討する。持続可能性の判断の基準としてポジティブフィードバック・モデルとネガティブフィードバック・モデルの二つを設定する。
前者は、森林資源の劣化によって生産性が低下した焼畑で耕作を続けると、生産性はさらに低下しやがて耕作自体が困難になることを想定する。後者は、生産性が低下して移住者(離農者)が増加する局面と、生産性が回復して帰還者(帰農者)が増加する局面 が交互に生起する一種の恒常性を想定する。過去30年間の農民の営農状況を聞き取り調査し、どのような条件下にどちらのモデルが顕在化するかを世帯単位で考える。本研究を通じて、移住と帰還からなる焼畑農耕民の一定の移動性が確認された場合、古代マヤ文明の都市国家が定住集落であったという前提を問い直す契機となる。

活動内容

KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
「古代オアハカ太平洋岸における干ばつ期から雨量回復期の民衆の植生利用と土地利用」(課題番号25H01919)
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PUBLICLY-25H01919/