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先史アンデスにおける初期複合的社会の生成から崩壊に至る歴史的過程の研究(2025-2027)

科学研究費助成事業による研究プロジェクト|基盤研究(B)

松本雄一

目的・内容

研究の概要

本研究では、中央アンデスにおいて最初に出現した複合的社会(complex society)の「出現から崩壊」に至る歴史的動態をペルー南部におけるアヤクチョ地域の考古学調査を通じて実証的に解明する。申請者の調査によって、同地域では形成期中・後期(紀元前1000-500年頃)に神殿を中心として社会の複合化が生じたことが明らかとなったが、神殿を中心とした社会がどのように出現し、崩壊したのかは不明である。そこでアヤクチョ地域を代表する二つの神殿遺跡で発掘調査を行い地域レベルでの通時的過程を考察することで「初期複合社会の出現から崩壊に至る過程」を実証的に解明する。

研究の目的

本研究では、中央アンデスにおいて最初に出現した複合的社会の「出現から崩壊」に至る歴史的動態をペルー南部におけるアヤクチョ地域の考古学調査を通じて実証的に解明する。申請者の調査によって、同地域では形成期中・後期(紀元前1000-500年頃)に神殿を中心として社会の複合化が生じたことが明らかとなったが、神殿を中心として統合される社会がどのように出現し、崩壊したのかは不明である。形成期後期の社会複合化に関しては、大神殿チャビン・デ・ワンタルからの影響を要因とする「チャビン現象」という解釈が長きにわたって国際学会の主流であり続けているが、本研究ではこの前提が再検討される。アヤクチョ地域を代表する二つの神殿遺跡で大規模な発掘調査を行うことで地域レベルでの通時的過程を考察し、他地域との比較を行う。これらをふまえ「初期複合社会の出現から崩壊」を理論化し、アンデス文明全体の展開の中に位置づける。

活動内容

KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
「先史アンデスにおける初期複合的社会の生成から崩壊に至る歴史的過程の研究」(課題番号25K00533)
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-25K00533/