アーカイブ画像と情報技術を活用した亜熱帯オアシス農村の生業変容に関する比較研究(2025-2028)
科学研究費助成事業による研究プロジェクト|基盤研究(B)
石山俊
目的・内容
研究の概要
本研究は、北アフリカ・中東に位置する亜熱帯オアシス農村の最近50年の変容メカニズムを、生業(特に農牧業)を軸に動態的に解明することを目的とする。以下の4つの方法を軸に目的を達成する。第1は文化人類学手法によるフィールドデータの収集、第2は、オアシス農村研究の先達が遺したアーカイブ画像の活用、第3は、衛星画像とGISなどの地理学情報を用いた手法とフィールドデータの統合的分析、第4は、研究プロセスにおいて、質が異なるデータ群を可視的に比較するための情報共有ツールの開発による分析手法の高度化である。この情報共有ツールを応用し、多国間国際的研究ネットワーク構築を目指すことも本研究の重要な目的である。
研究の目的
本研究の目的は、北アフリカ・中東に位置する亜熱帯オアシス農村の最近50年の変容メカニズムを、生業(特に農牧業)を軸に動態的に解明することにある。本研究が目指す亜熱帯オアシス農村理解の背景には、1960年代なかば以降、当時の日本の先駆的研究者によって着手された、オアシス農村の実証的研究が、それらの先達の他界以来、進展の歩みの鈍化したという認識がある。そして、本研究に事例を供する、サハラ、アラビア半島、イランのオアシス諸農村が直面する問題の根源には、その「限界状況」があると位置づける。オアシス農村の限界状況とは、オアシス特有の自然環境を活かした灌漑農業を基軸とする、生業、生活、社会がこの50年の石油経済の発展下で危機的な転換点を迎えていることを意味する。さらに本研究においては、地理学的手法、情報学的手法、構築されつつあるデジタルアーカイブの活用などを統合的に活用して研究をすすめていく。
活動内容
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
「アーカイブ画像と情報技術を活用した亜熱帯オアシス農村の生業変容に関する比較研究」(課題番号25K03349)
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-25K03349/