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近代日本におけるイスラームの転回:漂泊する知の考古学(2025)

科学研究費助成事業による研究プロジェクト|研究成果公開促進費(学術図書)

黒田賢治

研究の目的

本書は、江戸中期から大正初期までの日本におけるイスラームの知的展開について明らかにする構成となっており、三つの刊行の学術研究上の目的がある。一つは学術研究として十分に検討されてこなかった宗教としてのイスラームをめぐる日本における知の草創期から大正初期について明らかにすることで、日本宗教史およびイスラーム研究上の課題を補完する目的がある。また学術研究として十分に検討されてこなかった結果、日本の社会におけるイスラームの歴史的役割について社会的に発信する目的がある。さらに単に日本のイスラーム史をめぐる先行研究の議論を挙げるだけでなく、当該分野を研究史を概観することで、近年グローバルヒストリーの観点から着目されることが少なくない当該分野について、今後の研究の深化を図ることを目的としている。