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北米先住民製民族誌資料の文化人類学的ドキュメンテーションと共有

研究期間:2014.6-2018.3 / 開発型プロジェクト(4年以内)

伊藤敦規

プロジェクトの概要

プロジェクトの目的

 本研究は、フォーラム化する民族学博物館と文化人類学の趨勢を加速化させる最先端の学術調査を実施することで、新たな理論的展望を拓くことを目的とする。具体的には、国立民族学博物館を中心に日本国内外の博物館が所蔵する北米先住民資料を対象として、(1)文化人類学的な資料ドキュメンテーションを検討する国際共同研究を組織し、(2)各機関の所蔵資料の熟覧を行う。資料熟覧調査は国際共同研究員(申請者、資料を制作し使用してきた人々(ソースコミュニティの人々、以下SC)、所蔵機関担当者など)が所蔵機関で実施するが、招聘や派遣が困難な場合は資料画像を用いた遠隔熟覧(デジタル熟覧)で補う。既存の資料情報や資料分類を現代のSCの文化的文脈に則した見解と照合することは、アカデミアとSCという二つの異なるコンテクストにおける知(資料情報・伝統的知識)の継承の実体を検討することを意味する。熟覧の結果加筆・修正される情報の多言語化に加え、資料写真と熟覧の様子はデジタル化し、新規に構築するデータベースに統合する。(3)著作権やカルチャル・センシティビティに関する公開適正化のプロセスを経た後に、フォーラム型情報ミュージアムとして各機関やSCと共有し、教育活動等への利用を促進するなどして、さらなる知の継承の展開を図る。その際、所蔵機関における展示・教育・研究活動への利用ばかりではなく、SCでの教育利用方法も模索し実践する。

プロジェクトの内容

 民族学博物館は1990年代以降、展示する側・される側・観る側の三者が情報や意見を交換して議論を行う場としての機能を重要視する傾向にある。また文化人類学分野においても、ポストコロニアル批判や交通輸送手段と情報通信技術の発達を背景として、研究する側とされる側との間で意見や解釈の双方向性を担保するフォーラム化が推進されている(Peers and Brown2003; 佐々木2011)。
 民族学博物館が所蔵する資料は多くの場合、文化人類学の研究成果に基づいて収集され、分類され、資料情報が付され、展示や図録などを通して情報が再生産されていく。しかしながら資料情報は記載内容が乏しかったり、SCの観点からすると齟齬をきたすような記述の混在も指摘されている(齋藤2010)。これまでの情報適正化は、研究者による資料情報クリーニング作業という代弁に基づく一方向的な方法がとられてきた。これに対しフォーラム化の推進を前提とする場合、代替案としてSCの直接的関与が望まれる。
 本プロジェクトでは、資料所蔵機関へのSCの招聘もしくは派遣という物理的移動を伴う調査研究を実施する。招聘者は所蔵機関を訪問することで資料と再会し、伝統的知識に基づく解説を加え、性別や地域によって異なる制作法や使用法を明らかにする。既存の資料情報への単なる誤記の修正だけではなく、文化的文脈を再現させ記録化する点、換言すればソースコミュニティとの協働に基づく文化人類学的資料ドキュメンテーションの実施こそが本プロジェクトの目的である。資料情報が僅少なため展示利用が困難で収蔵庫で死蔵する「モノ」に、SCの記憶を照射することで文化的生命力を回復させること、そして著作権処理やカルチャル・センシティビティへの配慮といった公開適正化の諸作業を行うことは、民博をはじめ日本国内外の所蔵機関にとって、資料の実践的活用可能性を大幅に増加させ、成果の二次利用としての社会還元においても意義深い結果をもたらす。
 達成目標は第一に、文化人類学的な資料ドキュメンテーションの方法論と実践過程を検討する国際共同研究を組織し、国際共同研究員(研究者[北米先住民研究、博物館人類学、文化人類学]、各所蔵機関の担当者、SCの三者で、資料熟覧を行うことである。第二に、所蔵機関の資料情報や分類ならびに該当民族集団の先行研究上の分析や解釈を、SCが文化的文脈に則して提示する知見と照合してデータを整理すると共に、熟覧の様子を映像記録化し映像資料解説として編集し多言語化することである。民族学博物館の所蔵資料情報管理方法の高度デジタル化とアクセスの多感覚化は、将来における継続的発展が予測されるデジタル技術の向上や情報通信インフラ整備への追従可能性を確保するための喫緊の課題である。第三に、整理したデータを所蔵機関および熟覧に携われなかった人たちを含むSCとで共有し、両者におけるさらなる知の継承を展開させ、そのプロセスを追う。第四に、本プロジェクトで得られる知見、熟覧映像、資料のオブジェクトムービーなどを新規にデータベースにまとめ、公開適正化のプロセスを経ることで公開と運用を実施する。その過程には資料の著作者や著作権者から資料画像のオンライン利用(公衆送信)に関する許諾を得る交渉と、著作者本人などから当該資料の解釈や制作技法などを聞き取る調査を含める。第五に、各収蔵機関の展示場にデータベースを操作する機器を設置するか、もしくは各収蔵機関のHPから民博が運用するオンラインのフォーラム型情報ミュージアムへリンクを貼ることにより、SCを含めた遠隔地居住者の資料情報アクセスに関する利便性を図り、資料に関する多様なコメントを継続的に収集する。最終年度には第六として、上記五点の実施項目を文化人類学的に分析し、博物館資料を用いた知の共有と継承の現代的および将来的なあり方に関する新たな調査手法と理論的展望を拓くことを目的とする国際シンポジウムを開催し、プロジェクト全体の成果を各所属機関の紀要などにまとめて出版する。これら成果取りまとめ作業に加え、試験的計画として実施する本プロジェクトの概要や構築するシステムを、フォーラム型情報ミュージアム構想全体から検討して課題を明らかにする。また、大英博物館、ベルリン民族学博物館、米国スミソニアン協会(国立アメリカインディアン博物館、国立自然史博物館)、ハード博物館など、フォーラム型情報ミュージアムへの潜在的加盟機関に対する研究広報活動も行う。

期待される成果

 連携博物館が所蔵するホピ製資料をまとめた「Reconnectin Source Communities with Museum Collections(ホピ製資料データベース)」を構築し、各機関とソースコミュニティでの利用を促進する。
 民博や北アリゾナ博物館は多数の米国南西部先住民資料を所蔵する。しかしながら、既存の資料情報は記載内容が乏しく、SCの観点からすると記載内容や資料分類に非真正な記述が多い。本プロジェクトはこうした現状を是正し、日本国内外の博物館と所蔵資料情報のネットワーク化の実現を目指す。「フォーラムとしてのミュージアム」を展示基本構想の中心に掲げている民博において、SCによる声を展示活動だけではなく資料情報管理や資料保存にも反映させる。2016年度からは、SCにおける銀細工制作の伝統技法や工法の復刻教室の展開などを行っており、伝統文化教育活動へも具体的に寄与している。さらに、公開適正化のプロセスを経ることで、データベースの館外利用(公衆送信)において著作権者等SCから生じるクレームを事前に防ぎ、博物館資料を介した伝統文化の普及と継承について所蔵機関とSCとの協働を実現する。それにより、デジタル時代における民族学博物館の在り方のモデルを提示する。

成果報告

2016年度成果

1. 今年度の研究実施状況

本年度もほぼ計画通りに研究を実施した。主な実施内容は、専門的知識を有する宗教指導者やアーティストの日本の博物館への派遣、そこでの資料調査、連携機関での進捗発表、報告書の執筆と査読付き雑誌への投稿、資料写真撮影調査、動画データの整理等からなる。
以下、時系列に則して実施内容を解説する。
4月に、米国アリゾナ州から3名のホピを広島県福山市松永はきもの資料館に派遣し、約2週間にわたり資料熟覧を行い、収蔵資料の約半数の162点の熟覧調査を映像記録した。
5月に、昨年度(平成27年11月)に資料熟覧調査を実施した愛知県犬山市の野外民族博物館リトルワールドにて、プロジェクトの進捗について公開講演会を開催した。
6月までにシステム開発班と打ち合わせを重ね、フォーラム型情報ミュージアムの航海用データベースのイメージを具体的に検討した。
6月から8月までの約40日間に渡米し、平成26年度に民博と学術協定を締結した北アリゾナ博物館を訪問し、プロジェクトの進捗を報告するパネルを開催し、約80名の聴衆が参集した。また滞在中にこれまで日本に招聘した熟覧者達とデータ整理を行い、データベース公開に向けた作業を進めた。8月29日に、第8回世界考古学会議京都大会(WAC8)にて、学術協定を締結機関であり本プロジェクトの連携機関である北アリゾナ博物館の主任学芸員であるKelley Hays-Gilpinとともに“Decolonizing museum catalogs? Collaborative catalogs and archaeological practice”と題した発表を行った。なお、WAC8には1,600名を超える考古学者が世界中から参加した。
9月に科研費(国際共同研究強化)で渡米し、コロラド州歴史協会、デンバー美術館、デンバー自然科学博物館の3館で、資料調査と合計約110点のホピ製宝飾品資料のスチール撮影を行った。今後この機会に撮影した資料写真を用いてホピ保留地などで熟覧調査を行い(デジタル熟覧調査)、そこで得られたデータをフォーラム型情報ミュージアムのデータベースに掲載する予定である。
10月には米国アリゾナ州から1名のホピを広島県福山市松永はきもの資料館に派遣し、約2週間にわたり資料熟覧を行い、4月に未実施だった収蔵資料の約半数の162点の熟覧調査を映像記録した。また、春の熟覧調査の動画については文字越ししたものについては熟覧者と確認し、カルチャル・センシティビティに該当する部分などの削除を行った。
11月には、『国立民族学博物館調査報告(SER)』に投稿していたフォーラム型情報ミュージアムプロジェクトの成果である国立民族学博物館収蔵ホピ製木彫人形資料調査報告(約94万字)の採択が決まり、校正作業を進めている。また、国際協力事業団(JICA)が主宰し、国立民族学博物館(民博)が中心となって実施している「博物館とコミュニティ開発」コースにて、世界中から集まった12名の研修生に対して、民族学博物館が収蔵する著作物的なものへの配慮の必要性について、本プロジェクトで注目しているカルチャル・センシティビティへの配慮と比較しながら紹介した。
平成28年度3月(2017年3月)に目指している館内公開に向け、12月には民博が収蔵する「ホピ製」木彫人形資料272点の熟覧調査の動画の書出などあらゆるデータを整理する予定である。
1月から2月にかけて米国アリゾナ州のホピ保留地などを訪問し、これまでに熟覧調査のために招聘したホピの宗教指導者と引き続きデータ整理を行う。また、最終年度に向け、公開されるデータベースの利用など、近未来の具体的な展開も視野に入れながら検討する予定である。さらに2014年10月と2016年2月に民博で開催した本プロジェクトに関連する2つのワークショップについて文字にまとめ、国立民族学博物館の『Senri Ethnological Studies(SES)』として出版を目指すために投稿する予定である。
3月中には成果の一部について、館内公開を行う予定である。

2. 研究成果の概要(研究目的の達成)

3年目となる2016(平成28)年度は、学術協定に基づく国際共同研究を実施しながら、11月末日までに招待講演や国際学会等での研究発表(10本)、2カ国4機関での熟覧調査、5本の短文エッセイの執筆、4本の査読付き編著の出版(一つが出版済み。一つは校正中。二つは年度内に投稿予定)を行った。さらに、フォーラム型情報ミュージアムの本プロジェクトに関するデータを館内公開する予定のため、そのシステムデザインの監修やデータ整理を行っている。

3. 成果の公表実績(出版、公開シンポジウム、学会分科会、電子媒体など)

◇ 編著
伊藤敦規編 2016 『伝統知、記憶、情報、イメージの再収集と共有――民族誌資料を用いた協働カタログ制作の課題と展望』(国立民族学博物館調査報告)137。
伊藤敦規編(査読済み)『ソースコミュニティと博物館資料との「再会」シリーズI 国立民族学博物館収蔵「ホピ製」木彫人形資料の熟覧解説』(国立民族学博物館調査報告)
◇ 論文等
伊藤敦規 2016 「ホストとして関わる人類学――米国南西部先住民ホピと私のこれまでとこれから」(特集 人類学者の存在論)『社会人類学年報』42: 67-90、東京都立大学・首都大学東京社会人類学会、弘文堂。
伊藤敦規 2016 「おわりに」、伊藤敦規編『伝統知、記憶、情報、イメージの再収集と共有――民族誌資料を用いた協働カタログ制作の課題と展望』(国立民族学博物館調査報告)137: 131-132。
伊藤敦規 2016 「はじめに」、伊藤敦規編『伝統知、記憶、情報、イメージの再収集と共有――民族誌資料を用いた協働カタログ制作の課題と展望』(国立民族学博物館調査報告)137: 1-4。
伊藤敦規 2016 「伝統工芸」、阿部珠理編『アメリカ先住民を知るための62章』、明石書店、pp. 266-271。
伊藤敦規 2016 「カチーナとカチーナ人形」、阿部珠理編『アメリカ先住民を知るための62章』、明石書店、pp. 261-265。
伊藤敦規 2016 「スネークダンス」、阿部珠理編『アメリカ先住民を知るための62章』、明石書店、pp. 231-235。
◇ 学会発表や招待講演など
伊藤敦規 2016 「米国先住民墓地保護・返還法」『資料返還をめぐる先住民と博物館との新たな関係性の構築に関する文化人類学的研究(科学研究費補助金基盤B、出利葉浩司代表)』、北海学園大学。(2016.11.22)
Atsunori Ito 2016 “Hopi Collections Review in the US and Japan: Introduction of a Minpaku’s Info-Forum Museum Project”, Denver Museum of Nature & Science. (2016.9.15)
Atsunori Ito 2016 “Hopi Collections Review in the US and Japan: Introduction of a Minpaku’s Info-Forum Museum Project”, History Colorado Center. (2016.9.12)
Kelley Hays-Gilpin and Atsunori Ito 2016 “Decolonizing museum catalogs? Collaborative catalogs and archaeological practice”, WAC8 (8th World Archaeology Congress, Kyoto, Japan: 世界考古学会議京都大会), Doshisha University. (2016.8.29)
Gerald Lomaventema and Atsunori Ito 2016 “History of Traditional Overlay Jewelry”, Arizona State Parks Homolovi State Park Event “Suvoyuki Day”, Homolovi State Park. (2016.8.6)
Robert Breunig, Atsunori Ito, Gerald Lomaventema, Kelley Hays-Gilpin 2016“History of Hopi Overlay Jewelry: Origins and Continuity”, Museum of Northern Arizona 83rd Hopi Festival, Easton Collections Center. (2016.7.3)
Robert Breunig, Atsunori Ito, Gerald Lomaventema, Kelley Hays-Gilpin 2016“History of Hopi Overlay Jewelry: Origins and Continuity”, Museum of Northern Arizona 83rd Hopi Festival, Easton Collections Center. (2016.7.2)
伊藤敦規 2016 「博物館資料を文化的に蘇生させる――ソースコミュニティと共に行う博物館資料の熟覧調査」『リトルワールドカレッジマスターコース 2016、第二回講義』、野外民族博物館リトルワールド。(2016.5.22)
伊藤敦規 2016 「記憶や思い出を後世に伝える方法を考える――ソースコミュニティと共に行う博物館資料の熟覧調査」大阪府高齢者大学『世界の文化に親しむ科』、大阪市社会福祉会館。(2016.5.20)
伊藤敦規 2016 「アメリカ先住民ホピの文化」大阪府高齢者大学『世界の文化に親しむ科』、大阪市社会福祉会館。(2016.5.13)
◇ 映像作品など
伊藤敦規、鈴木紀監修 2016『みんぱく映像民族誌 第18集――米国南西部先住民の宝飾品』、国立民族学博物館。
◇ 新聞・テレビなど
「福山の資料館収蔵品に脚光――米先住民ホピのカチナ人形」『中國新聞 朝刊社会面27面』(2016.4.17)

2015年度成果

1. 今年度の研究実施状況

以下、時系列に則して実施内容を解説する。
4月に、米国アリゾナ州から3名のホピを招聘し、国立民族学博物館(以下民博)にて資料熟覧を行うと同時に、民博国際ワークショップ『資料熟覧――資料熟覧のためのソースコミュニティ招聘プロセスと人類学的ドキュメンテーションの検討』(2015年4月16日~17日)を主宰した。このワークショップの目的は、民博による他機関へのソースコミュニティ熟覧者の派遣、もしくは他機関によるソースコミュニティの招聘を具体的に念頭に置きながら、熟覧実施とその記録に関する注意点や配慮すべき点をプロセスごとに確認することにあった。また、従来の文化人類学者自身が移動するフィールド調査と、ソースコミュニティの人々自身を移動させる熟覧調査との相違点を検討することで、文化人類学的調査の手法やドキュメンテーションの展開を図った。ワークショップ参加機関は、ホピの宗教指導者や木彫人形作家に加え、北海道白老のアイヌ民族博物館(館長、学芸員)、天理大学天理参考館(学芸員)、野外民族博物館リトルワールド(主任学芸員)、北海道大学アイヌ・先住民研究センター(准教授、博士研究員、技術補佐員)であった。
6月から8月までの約2ヶ月間、米国アリゾナ州とニューメキシコ州に滞在し、学術協定を結んだ北アリゾナ博物館所蔵ホピ製宝飾品資料の写真撮影、資料熟覧、ソースコミュニティでの現地報告会などを行った。
9月は、米国ワシントンDCで開催されたAssociation of Tribal Archives, Libraries, and Museumsの国際会議に出席し、最先端の議論を聴講すると共に、北アリゾナ博物館やスミソニアン協会の国立アメリカンインディアン博物館の資料管理スタッフと、本プロジェクトの進捗や今後の予定などを検討し、将来的に協力して実施することを確認した。
10月は、フォーラム型情報ミュージアムの野林プロジェクトに関連して台湾で開催された国際ワークショップに参加し、本プロジェクトの進捗と全体プロジェクトの意義を口頭発表した(「民族學博物館與資源社群的再相會――意義與方法論」國立臺灣歷史博物館與日本國立民族學博物館交流工作坊『民族學與歷史學的交會』國立臺灣歷史博物館(2015年10月15日~10月17日)。
11月には、ホピから2名の熟覧者を招聘し、民博だけでなく、他館での熟覧に派遣した。愛知県犬山市の野外民族博物館リトルワールド(99点)、奈良県天理市の天理大学附属天理参考館(26点)を熟覧し、その様子を静止画と動画で撮影した。民博での熟覧も行い、昨年度から実施してきた約430点のホピ製とされる全資料の熟覧とその記録が終了した。この時には、4月に実施した国際ワークショップと同様、アイヌ民族のアーティストとホピのアーティストとの交流の機会も設けた。
12月に再度渡米し、夏季に実施したアリゾナ州の北アリゾナ博物館での資料写真撮影と熟覧調査を継続して行い、合計約500点の資料熟覧を終えた。全ての作業の様子を映像と静止画で撮影した。また、ホピ保留地での進捗報告会を開催し、博物館に招聘・派遣できなかった人びととも、資料熟覧調査の様子を共有した。
1月には、東京の国立情報学研究所でシステム構築に関する研究打合せを開催した他、民博館内の関係者に進捗を報告する機会を設けた(第271回民博研究懇談会、2016年1月20日)。
2月には、民博で国際ワークショップ「フォーラム型情報ミュージアムのシステム構築に向けて――オンライン協働環境作りのための理念と技術的側面の検討」を開催・主宰した。スミソニアン協会国立アメリカンインディアン博物館や極北研究センター、ブリティッシュコロンビア大学人類学博物館などから研究者を招聘し、フォーラム型情報ミュージアムのシステムデザインと、博物館とソースコミュニティとの間に顕在する協働の思想を同時に検討した。また、北海道アイヌ協会と民博との間で行っているアイヌ伝統技術保持者の受入制度の機会を利用し、これまで行ってきた熟覧調査や事後報告会のやり方を相対化することが出来た。熟覧以前の情報提供や報告書の執筆と口頭発表といったアイヌ協会側のやり方が非常に参考になった。
3月は、来年度からの資料熟覧を予定している広島県福山市の松永はきもの資料館を訪問し、事務局長など関係者と今後の研究調査活動の方向性やスケジュールについて打合せを行った。この文化施設は2013年度までは私立だったが、2015(平成27)年7月に行政と地域ボランティアによる協働運営に運営形態が変わった。このためこれまでに実施してきた私立博物館、宗教法人、独立行政法人(旧 国立)とは異なる運営形態における協働プロジェクトが展開することとなる。また、国立民族学博物館・金沢大学とで実施した研究フォーラム「文化遺産の保存と活用:ミュージアムの視点から」において、本プロジェクトの意義と進捗を招待講演した。
全期間にわたり、これまで実施した資料熟覧調査の映像・音声記録の文字起こし、内容確認、翻訳、映像字幕編集を行った。また、随時、日本国内外の研究者に本プロジェクトの概要や詳細を紹介した(ケニア国立博物館、パプアニューギニアの大学、国立オーストラリア大学、首都大学東京、関西大学、東京大学など)。なお、一部の熟覧者の招聘などについて、科研費補助金(若手研究A『日本国内の民族学博物館資料を用いた知の共有と継承に関する文化人類学的研究』(研究課題番号:26704012))の予算を用いて実施した。

2. 研究成果の概要(研究目的の達成)

2年目となる2015(平成27)年度は、学術協定に基づく国際共同研究を実施しながら、3度の国際ワークショップでの発表(その内2度は実行委員長として主宰)、2カ国4機関での熟覧調査、13度の研究発表・招待講演・ソースコミュニティにおける現地報告会を行った。また、4本の論文・報告書・エッセイの執筆を行った。さらに、フォーラム型情報ミュージアムの本プロジェクトに関するデータをビューアにまとめる予定であるため、そのシステムデザインに関する監修を行っている。

3. 成果の公表実績(出版、公開シンポジウム、学会分科会、電子媒体など)

◇ 論文
伊藤敦規 2015 「再会ツールとしての著作権――国立民族学博物館所蔵カナダ先住民版画資料の著作権処理を事例として」齋藤玲子(編)『カナダ先住民芸術の歴史的展開と現代的課題――国立民族学博物館所蔵のイヌイットおよび北西海岸先住民の版画コレクションをとおして』(『SER 国立民族学博物館調査報告』131:211-227。[査読有り]
◇ エッセイなど
伊藤敦規 2015 「アメリカ合衆国南西部先住民ホピのソーシャルダンス」、国枝たか子編、『世界のダンスII――百カ国を結ぶ舞踊文化』、pp. 78-79、不昧堂出版。[査読無し]
伊藤敦規 2015 「米国先住民ミュージシャン エド・カボーティ」『月刊みんぱく』(第39巻第11号「音の居場所」)、pp. 18-19、国立民族学博物館。[査読無し]
伊藤敦規 2015 「民族学博物館とソースコミュニティとの再会」『民博通信』150号(「Project」):10-11、国立民族学博物館。[査読無し]
◇ シンポジウム・ワークショップなど
Kathy Dougherty and Atsunori Ito 2016 “Hopi Collection Review Project in the US and Japan” in the Minpaku International Workshop System Development for the Info-Forum Museum: Philosophy and Technique, National Museum of Ethnology, JAPAN, 2016.2.11-12. (2016.02.12)[査読無し]
伊藤敦規 2015 「民族學博物館與資源社群的再相會――意義與方法論」國立臺灣歷史博物館與日本國立民族學博物館交流工作坊『民族學與歷史學的交會』國立臺灣歷史博物館(2015.10.15-10.17)[査読無し]20151016
伊藤敦規 2015 「まとめ」国立民族学博物館国際ワークショップ『資料熟覧――資料熟覧のためのソースコミュニティ招聘プロセスと人類学的ドキュメンテーションの検討』(2015.4.17)[査読無し]20152015
伊藤敦規 2015 「資料熟覧に関する人類学的ドキュメンテーションについて」国立民族学博物館国際ワークショップ『資料熟覧――資料熟覧のためのソースコミュニティ招聘プロセスと人類学的ドキュメンテーションの検討』(2015.4.17)[査読無し]2015
伊藤敦規 2015 「「映像記録『Host Museum and Source Community Responsibilities in Collection Reviews(話者:シンシア・チャベス=ラマー(国立アメリカン・インディアン博物館、資料管理副部長)、ジム・イノーテ(ズニ博物館、館長))』の視聴」の解説」国立民族学博物館国際ワークショップ『資料熟覧――資料熟覧のためのソースコミュニティ招聘プロセスと人類学的ドキュメンテーションの検討』(2015.4.16)[査読無し]2015
伊藤敦規 2015 「「映像記録『Demonstration of the Collection Review(話者:シンシア・チャベス=ラマー(国立アメリカン・インディアン博物館、資料管理副部長)、ジム・イノーテ(ズニ博物館、館長))』の視聴」の解説」国立民族学博物館国際ワークショップ『資料熟覧――資料熟覧のためのソースコミュニティ招聘プロセスと人類学的ドキュメンテーションの検討』(2015.4.16)[査読無し]
伊藤敦規 2015 「趣旨説明――国立民族学博物館フォーラム型情報ミュージアム・大型プロジェクト「北米先住民製民族誌資料の文化人類学的ドキュメンテーションと共有」および科学研究費補助金若手研究(A)「日本国内の民族学博物館資料を用いた知の共有と継承に関する文化人類学的研究」の目的と視座」国立民族学博物館国際ワークショップ『資料熟覧――資料熟覧のためのソースコミュニティ招聘プロセスと人類学的ドキュメンテーションの検討』(2015.4.16)[査読無し]
◇ その他の学会発表や招待講演など
伊藤敦規 2016 「民族学博物館資料の高度情報化とオンライン協働環境整備に向けた取り組み――フォーラム型情報ミュージアムプロジェクトの中間報告として」第271回民博研究懇談会。(2016.01.20)[査読無し] Atsunori Ito 2015 “Collaborative Reviewing Efforts of Hopi items in museum collections both domestic and international” Shungopavi Community Building, Arizona, USA. (2015.12.11)[[査読無し] 伊藤敦規 2015 「米国先住民ホピによる民博所蔵民族誌資料熟覧の紹介」伊藤敦規代表、国立民族学博物館共同研究会『米国本土先住民の民族誌資料を用いるソースコミュニティとの協働関係構築に関する研究、2015年度第2回研究会』、国立民族学博物館。(2015.11.14)[査読無し] 伊藤敦規、ジェロ・ロマベンティマ、マール・ナモキ 2015 「ソースコミュニティとの協働資料熟覧」伊藤敦規代表、国立民族学博物館共同研究会『米国本土先住民の民族誌資料を用いるソースコミュニティとの協働関係構築に関する研究、2015年度第2回研究会』、国立民族学博物館。(2015.11.14)[査読無し] Kelley Hays-Gilpin, Atsunori Ito, Gerald Lomaventema 2015 “Hopi Overlay Program”, Museum of Northern Arizona 85th Hopi Festival, Easton Collections Center.(2015.7.4)[査読無し]

2014年度成果

1. 今年度の研究実施状況

2014年6月から7月にかけて須藤健一民博館長と渡米し、本プロジェクトの連携機関を訪問した。連携機関であるコロラド州デンバーのデンバー自然科学博物館では、ジョージ・スパークス館長を表敬訪問した。本プロジェクトの国際共同研究員で人類学担当学芸員のチップ・コルウェル博士とスティーブ・ナッシュ博士に展示場や収蔵庫を紹介してもらった後、博物館人類学の最前線について意見を交わした。7月4日(金)には、本プロジェクト実施のために民博と連携機関である北アリゾナ博物館とが学術協定を交わすことになり、その調印式をアリゾナ州フラッグスタッフの北アリゾナ博物館で開催した。この日は北アリゾナ博物館のホピ展の開幕日でもあり、開幕式にて須藤館長と本プロジェクトが列席者の前で紹介された。
7月から8月にかけては、民博が所蔵するホピ製木彫人形(約280点)を科研費補助金((若手研究(A))『日本国内の民族学博物館資料を用いた知の共有と継承に関する文化人類学的研究』(研究課題番号:26704012))にて撮影し、photoVR加工した。
10月5日から17日まで、photoVRというデジタル資料を活用しながら民博収蔵庫にて資料熟覧を実施した。海外からの招聘者はソースコミュニティ(ホピ)の国際研究協力者4名(Ramson Lomatewama、Darance Chimerica、Merle Namoki、Gerald Lomaventema)と、国際共同研究員6名(Robert Breunig[北アリゾナ博物館]、Kelley Hays-Gilpin[北アリゾナ大学]、Chip Colwel [デンバー自然科学博物館]、Jim Enote [ズニ博物館]、Cynthia Chavez-Lamar [国立アメリカン・インディアン博物館]、Henrietta Lidchi [国立スコットランド博物館])のほか、天理大学天理参考館、野外民族博物館リトルワールドなどの日本国内のホピ製木彫人形所蔵博物館などが多数参集した(招聘について一部は科研費補助金を使用した)。このときに記録した10日分の音声・映像は日英両言語で文字起こしをし、発話者本人のチェックを受けて、日本語に翻訳している。
10月下旬から11月上旬にかけては、首都大学東京の「学術成果の都民への発信拠点・組織の形成」研究グループによる企画展(『伝統文化は誰のもの? 文化資源をめぐる協働を考える』)とシンポジウム(同名)を行い、フォーラム型情報ミュージアムに係る資料整理やオンライン以外の情報公開・共有の可能性を検討・確認した。
11月には再度米国アリゾナ州の北アリゾナ博物館を訪問し、民博での資料熟覧時に記録した口頭解説の英文チェックを行いながら、北アリゾナ博物館所蔵のホピ製宝飾品資料(約450点中約380点)の資料写真撮影と採寸など既存のレコードの確認と追記を行った。
1月には平成27年度に実施予定のリトルワールドでの資料熟覧のための打合せを、リトルワールドにて行った。その機会は、本プロジェクト代表者(伊藤敦規)が代表者を務める民博共同研究(米国本土先住民の民族誌資料を用いるソースコミュニティとの協働関係構築に関する研究)を利用し、収蔵庫や屋内展示場、屋外展示場の実見も行った。
ソースコミュニティ(ヤキ)について、民博の所蔵資料約50点を対象とする資料調査を国内共同研究員の水谷裕佳(上智大学)とともに行った。水谷が資料撮影し、そのデータをヤキ政府の担当者に送り、公開適正に関する意見を収集し、一部の資料についてはソースコミュニティから管理上の提言が出たので、民博にてそれを実施するように情報企画課標本係に指示を出し、対処済みである。
民博のフォーラム型情報ミュージアム構想に類似する博物館間ネットワーク型データベースを運営している、ブリティッシュコロンビア大学附属人類学博物館(reciprocal research network)、極北研究センター(sharing knowledge)などに国内共同研究員(岸上伸啓)を派遣する予定であったが、人間文化研究機構の「問題解決志向型基幹研究プロジェクト形成に係る準備調査提案書」に基づく調査経費が得られたので、その予算で1月から2月にかけて派遣した。
同様の目的で本プロジェクトの現状を中間報告するため、本プロジェクト代表者(伊藤敦規)は沖縄で開催されたアメリカ学会(6月)とドイツのフランクフルトで開催されたAIW(欧州における北米先住民学会、3月)に参加し口頭発表を行った。欧州滞在期間中は、オランダのトロッペン博物館およびライデン国立民族学博物館の視察とフォーラム型情報ミュージアムプロジェクトのプロモーションを行った。また、上記した人間文化研究機構の準備調査提案書に基づく調査経費にて、オランダのアムステルダム大学を訪問し、情報社会学のRobin Boast教授とフォーラム型情報ミュージアムのシステム構築に関する意見交換を行った(3月)。

2. 研究成果の概要(研究目的の達成)

民博をはじめ日本国内外の博物館が所蔵する米国先住民ホピ製資料などのデジタルアーカイブズを構築するために、その手法や、ドキュメンテーションの仕方や、公開を対象とする相手の選定など、博物館とソースコミュニティ双方にとっての意義を探り、コンテンツを収集・整理することが初年度の実施内容の大半を占めた。 今後の展開に最も影響を与えることになると思われる本年度の内容は、資料のphotoVR(ヴァーチャル・リアリティ)撮影とソースコミュニティの招聘と熟覧の実施であった。ソースコミュニティを民博などの博物館に招聘する場合には、現地での就業形態や生活の流れ(繁盛期など)、健康状態、交通手段といった物理的手段やタイミングも親身になって配慮しなければならない。招聘する側の予算との兼ね合いもあるが、人の移動を伴わない現地での擬似的な熟覧の機会を工夫して創出することが課題となっていた。 それをある程度解消するのがphotoVRである。ターンテーブルの上に乗せた資料を回転させながら水平0度、30度、60度、90度をそれぞれ36ショット撮影し、底面1ショットを加えた合計145ショットの画像を一枚のファイルに統合する。これにより、モノ資料を手でハンドリングしているような感覚で回転することができるようになった。顔を近づけて熟視することも、高解像度撮影した画像を拡大・縮小することで擬似的な環境を整えることができるようになった。もちろん臭いに関する嗅覚や重さや手触りに関連する触覚などの感覚を擬似的に再生することはできないが、それでも平面の写真一枚よりは格段に操作性が増すことになった。このphotoVR撮影を科研費によって実施したことで、その後の熟覧作業や、連携機関への解説が簡便になり、将来の展開や事業の可能性の幅が大幅に広がった。 ソースコミュニティによる熟覧は10月5日から17日の期間の平日である7日間に行った。対象とする資料は祖霊や精霊や雨や雨雲を表す超自然的存在(カチーナ)である。民博は約280点の資料を所蔵している。4名の熟覧者は人形作家が2名、使用者(宗教指導者)が2名で、それぞれ年齢も居住村落も異なる人々である。全員が資料の熟覧経験がなかったため、まず、2012年に民博と学術協定を結んでいて、民博での資料熟覧経験もあるズニ博物館のJim Enote館長と国立アメリカン・インディアン博物館のCynthia Chavez-Lamar博士に熟覧の仕方や記録の仕方などについて実演を行ってもらった。彼ら自身も米国先住民であるため、ホピの熟覧者は非先住民の博物館関係者だけではなく、先住民からの指導も受けたことになる。何をどこまで公開すべきか否かという点が最も注意した内容であった。一資料について全員でホピ語で意見を述べた後、一人一人が村落での役割などについて解説した。さらに全員の意見を聞いた要約として黒背景で語りに集中できる映像撮影を行った。熟覧の様子は全て映像資料として記録しており、数百時間に及ぶ一次資料に関する貴重な資料が収集できた。全ての音声はテープ起こし済みで、発話者による英語のチェックが終わった分については日本語への翻訳も行った。これらがフォーラム型情報ミュージアムの一つとして新たに制作するDBに掲載する主要なコンテンツとなる。 その他にも、北アリゾナ博物館での資料調査と資料撮影、国内外の機関や学会やシンポジウムや展示会などでの口頭発表を介したプロジェクトの広報活動を行った。 資料台帳のレコード項目数としては、合計36,380レコードの確認、加筆を行った。内訳は以下の通りである。「民博所蔵ホピ製木彫人形資料」については、一資料あたり145点の静止画を撮影し、それらを1点のphotoVRに加工した。10月5日から17日を期間とする約140点の資料熟覧の結果、一資料あたり最低9レコードの確認と加筆を行った(小計21,560レコード)。「北アリゾナ博物館所蔵ホピ製宝飾品資料」については、約380点の資料の写真撮影を行った(一点あたり約10点)。さらに寸法やデザインの確認など、39項目のレコードを確認・加筆した(小計14,820レコード)。

3. 成果の公表実績(出版、公開シンポジウム、学会分科会、電子媒体など)

◇ 論文
伊藤敦規 2015 「国立民族学博物館における研究公演の再定義――『ホピの踊りと音楽』の記録とフォーラムとしてのミュージアムの視点からの考察」『国立民族学博物館研究報告』39巻3号:397-458。
◇ エッセイなど
伊藤敦規 2014 「日本国内の米国先住民研究の展開のために――民族誌資料で関係者を束ねる」『民博通信』145号:20-21、国立民族学博物館。
Atsunori Ito 2014 “Re-Collection and Sharing Traditional Knowledge, Memories, Information, and Images: Problem and the Prospects on Creating Collaborative Catalog.” MINPAKU Anthropology Newsletter No. 38: 11-12, National Museum of Ethnology.
◇ 公開シンポジウム・ワークショップ
首都大学東京「学術成果の都民への発信拠点・組織の形成」研究グループシンポジウム『伝統文化は誰のもの? 文化資源をめぐる協働を考える』)、首都大学東京。(2014.11.1)
Minpaku International Workshop Collection Review: Methodology and Effective Utilization for the Museum and the Source Community, National Museum of Ethnology (2014.10.5~10.10)
◇ 口頭発表
伊藤敦規 2014 「米国先住民ホピ製宝飾品の真髄を真贋判断から考える」(首都大学東京「学術成果の都民への発信拠点・組織の形成」研究グループシンポジウム『伝統文化は誰のもの? 文化資源をめぐる協働を考える』)、首都大学東京。(2014.11.1) Atsunori Ito 2014 “Introduction of “Kachina doll” collection labeled Hopi in Minpaku”, Minpaku International Workshop Collection Review: Methodology and Effective Utilization for the Museum and the Source Community, National Museum of Ethnology (2014.10.6)
Atsunori Ito 2014 “Tasks of collection, accumulation, documentation, and effective utilization of SC’s comments”, Minpaku International Workshop Collection Review: Methodology and Effective Utilization for the Museum and the Source Community, National Museum of Ethnology (2014.10.5)
Robert Breunig, Kelley Hays-Gilpin, Atsunori Ito 2014 “Reconnect Museum and Source Community”, Minpaku International Workshop Collection Review: Methodology and Effective Utilization for the Museum and the Source Community, National Museum of Ethnology (2014.10.5)
Atsunori Ito 2014 “Introduction”, Minpaku International Workshop Collection Review: Methodology and Effective Utilization for the Museum and the Source Community, National Museum of Ethnology (2014.10.5)
伊藤敦規 2014 「所蔵博物館とソースコミュニティにとっての資料熟覧」、第260回 民博研究懇談会、国立民族学博物館。(2014.9.24)
伊藤敦規 2014 「米国先住民資料の所在と管理情報の現状、国立民族学博物館のInfo-Forum Museum構想の報告」、アメリカ学会第48回年次大会、米国先住民分科会、沖縄コンベンションセンター。(2014.6.8)
Atsunori Ito 2014 “Collaborating with the Source Community”, IUAES panel Re-imagining ethnological museums: new approaches to developing the museum as a place of multi-lateral contacts and knowledge (Commission on Museums and Cultural Heritage), Makuhari Messe. (2014.5.15)
Atsunori Ito 2014 “Intellectual Property: Consideration on “Copyrighted Works” to be Uniquely Given by Ethnological Museums”, JICA Museology Course, National Museum of Ethnology.(2014.5.7)
◇ 展示活動
伊藤敦規 2014 「ホンモノ?ニセモノ?――『ホピ製』宝飾品の真作贋作」(首都大学東京「学術成果の都民への発信拠点・組織の形成」研究グループ企画展『伝統文化は誰のもの?――文化資源をめぐる協働を考える』)、首都大学東京91年館。(2014.10.31-11.13)
◇ 事典 項目執筆
伊藤敦規 2014 「表象に対する権利」国立民族学博物館(編)『世界民族百科事典』、丸善出版、pp. 736-737。
伊藤敦規 2014 「博物館と返還」国立民族学博物館(編)『世界民族百科事典』、丸善出版、pp. 518-519。(2014年7月10日)
伊藤敦規 2014 「手工芸」国立民族学博物館(編)『世界民族百科事典』、丸善出版、pp. 496-497。
伊藤敦規 2014 「北米先住民」国立民族学博物館(編)『世界民族百科事典』、丸善出版、pp. 296-297。
◇ 新聞
伊藤敦規 2015 「伝統的な生活を大切に(みんぱく世界の旅 アメリカ先住民ホピ4)」『毎日小学生新聞』(2015.1.31)
伊藤敦規 2015 「身体能力高いホピの人々(みんぱく世界の旅 アメリカ先住民ホピ3)」『毎日小学生新聞』(2015.1.24)
伊藤敦規 2015 「願いを込めて『ソーシャルダンス』(みんぱく世界の旅 アメリカ先住民ホピ2)」『毎日小学生新聞』(2015.1.17)
伊藤敦規 2015 「おいのりで雨雲を呼ぶ(みんぱく世界の旅 アメリカ先住民ホピ1)」『毎日小学生新聞』(2015.1.10)
伊藤敦規 2014 「精霊の化身、仮面(7)生き物」『毎日新聞夕刊』(旅・いろいろ地球人)(2014.7.17)
◇ メディア掲載
日本経済新聞(関西) 2014 「民族学資料 共有化へ 民博40年で変わる」(http://www.nikkei.com/article/DGXLASIH21H02_R21C14A0AA1P00/)(2014.10.26)
“International collaboration helps connect Museum of Northern Arizona to Hopi community”, Navajo-Hopi Observer 34(50), p. 1, 4.(2014.12.10)
2014 「民博が国際ワークショップを開催――“フォーラム型情報ミュージアム”実現に向け」『文教速報』7973号:15、官庁通信社。(2014.2.26)
◇ その他(電子媒体など)
「国立民族学博物館(日本国 大阪)および北アリゾナ博物館(米国 アリゾナ州 フラッグスタッフ)との学術協力・協働協定書」(https://older.minpaku.ac.jp/research/activity/exchange/agreement/2014northernarizona
“Museum of Northern Arizona, Japan’s National Museum of Ethnology Lead Global Initiative”(https://musnaz.org/museum-northern-arizona-japans-national-museum-ethnology-lead-global-initiative/